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日本・太平洋島しょ国経済フォーラムを開催(オセアニア、日本)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月23日 1時25分

日本の経済産業省と外務省、ジェトロは7月17日、第4回日本・太平洋島しょ国経済フォーラムを開催した(注1)。第10回太平洋・島サミット(PALM10、7月16~18日、東京)の関連イベントとして、訪日した各国の首脳・閣僚や日本企業などが参加した。上月良祐経済産業副大臣は太平洋島しょ国について、歴史的なつながりや長年の信頼関係に加え、天然資源、海洋資源でも日本の重要なパートナーと強調した。また、経済産業省として、気候変動やエネルギー、廃棄物処理など、島しょ国の社会課題解決に貢献する日本企業の進出を後押ししていると述べた。高村正大外務大臣政務官も、資源と経済開発、気候変動と災害、技術と連結性を重視する「ブルーパシフィック大陸のための2050年戦略(2050年戦略)」(注2)の実現を後押しする上で、ビジネス協力が欠かせないと述べた。

太平洋島しょ国側からは、PALM10共同議長のクック諸島のマーク・ブラウン首相があいさつし、相互の敬意、理解、対話に基づく新たな協力関係を築きたいと述べた。今回の対話をチャンスのまま終えるのではなく、議論を継続して実行に移すことが大事だと強調した。

ジェトロの中澤克典理事は、太平洋島しょ国で事業を行う日系企業として、コチョウランやバニラの高付加価値化に取り組む赤平オーキッドや、ブロックチェーン技術を活用した中央銀行デジタル通貨(CBDC)の実証などを行うソラミツ、太陽光エネルギーで充電可能なLEDランタンのシェアリングサービスを試行する東芝を挙げた。さらに、日本と島しょ国の企業をつなげる取り組みとして、国際機関太平洋諸島センター(PIC)が立ち上げたビジネスマッチングサイト「Japan-PACIFIC e-Business」を紹介した。

同フォーラムでは各国の代表が優先的に取り組む社会課題や産業分野についてスピーチを行い、日本企業に対して再生可能エネルギーや、観光、漁業、鉱業、インフラ開発などへの投資を呼びかけた。クック諸島のブラウン首相は各国の特性に見合ったソリューションを模索して提案してほしいと呼びかけた。例えば、パプアニューギニアのジェームス・マラペ首相は、自由、民主主義、独立国であることや、1,000万人の消費市場、東南アジアとの協力関係が自国の魅力だとし、日本企業にちゅうちょなく投資してほしいと呼びかけた。ソロモン諸島のジャーマイア・マネレ首相は、優先課題は再エネで、さまざまな産業のリソースとして不可欠と述べた。また、経済特区の開発や税制改革を通じて外国投資を呼び込み、経済発展(注3)と、国内の経済格差の縮小に取り組むと意気込んだ。

バロン・ディバベシ・ワンガ太平洋諸島フォーラム(PIF)事務局長は、太平洋島しょ国にはユニークで非常にニッチな投資機会があるとし、こうした対話の機会を継続して貿易・投資を促進し、太平洋島しょ国の強靭(きょうじん)性を強化したいとした。

写真 日本・太平洋島しょ国経済フォーラムの様子(ジェトロ撮影)

日本・太平洋島しょ国経済フォーラムの様子(ジェトロ撮影)

写真 島しょ国と日本の代表による記念撮影(ジェトロ撮影)

島しょ国と日本の代表による記念撮影(ジェトロ撮影)

(注1)同フォーラムに参加した太平洋島しょ国は、パプアニューギニア、フィジー、ソロモン諸島、バヌアツ、クック諸島、ツバル、ニウエ、ミクロネシア連邦、キリバス、パラオ、ナウル、仏領ポリネシア、ニューカレドニア。

(注2)2022年7月に太平洋島しょ国地域が策定した将来に向けた共通の戦略。重点的に取り組む分野として、政治的リーダーシップと地域主義、人を中心に置いた開発、資源と経済開発、気候変動と災害、海洋・自然環境、技術と連結性を挙げている。

(注3)同国は2027年に後発開発途上国(LDC)を卒業する予定。

(山口あづ希)

(オセアニア、日本)

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