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チェコの欧州議会選挙で、最大野党が勝利(チェコ、EU)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月12日 13時40分

添付資料PDFファイル(176 KB)

6月7、8日に実施されたチェコの欧州議会選挙(チェコの割当議席数21議席)で、最大野党のANO 2011(ANO)が得票率26.1%で予想どおり勝利した(添付資料表参照)。獲得議席数は7で、前回(2019年)の6から1議席増やした。ANO は、チェコがEU加盟国であることを基本的に支持しながらも、EUの環境基準や目標の緩和を主張している。

国政で連立政権を担う5党(注1)のうち、2021年の下院選挙(2021年10月12日記事参照)に続いて3党連合SPOLU(「共に」の意)として立候補した市民民主党(ODS)、キリスト教民主連合=チェコスロバキア人民党(KDU=CSL)、TOP 09は、得票率22.3%で2位につけた。3党合計の獲得議席数は6で、前回より2議席減らした(注2)。

一方、下院選挙には2党連合で臨んだ与党、市町村長・無所属候補者連合(STAN)と海賊党は、今回は選挙協力を行わなかった。STANは予想に反して得票率が2桁に届かず8.7%にとどまったが、前回から1議席増の2議席を獲得した。海賊党は得票率が6.2%で、予想を大きく下回り、前回から2議席減の1議席となった。

今回特に注目されたのは、親EU勢力である与党に対抗して、EUが推進するグリーン・ディールへの反対と不法移民対策の強化を主張し、ナショナリズムを前面に打ち出して選挙運動を展開した欧州懐疑派勢力の台頭だ。2021年に結成された新党「宣誓」が、初めての欧州議会選挙で2議席を獲得したほか、ロシア・ウクライナ停戦支援の必要性を第1に掲げたボヘミア・モラビア共産党を中心とする「STACILO!」〔「もう結構(Enough!)」の意〕も2議席を得た。

一方、下院に20議席を有する野党第2党で、日系人トミオ・オカムラ氏が率いるナショナリズム政党、自由と直接民主主義の党(SPD)は、議会に議席を持たない「トリコロール」との連立で臨み、EU離脱決定を国民投票に委ねることを訴えたが、結果は得票率5.7%にとどまり、議席数は前回から1議席減の1議席となった。

今回の投票率は36.5%で、初めて30%を超え、欧州議会選挙の投票率としては過去最高を記録した。

(注1)中道右派3党連合のSPOLUを形成する市民民主党(ODS)、TOP 09、キリスト教民主連合=チェコスロバキア人民党(KDU=CSL)のほか、市町村長・無所属候補者連合(STAN)、海賊党。

(注2)2019年の選挙ではODSとKDU=CSLは単独で、TOP 09はSTANと連合を組んで臨んだ。ここでは各党の議席数を合計して比較している。

(中川圭子)

(チェコ、EU)

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