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第3四半期の米新車販売は前年同期比1.9%減、ローン金利低下を期待し購入の先延ばしが影響(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月8日 0時20分

添付資料PDFファイル(169 KB)

モーターインテリジェンスの発表(10月2日)によると、米国の2024年第3四半期(7~9月)の新車販売台数(暫定値)は、前年同期比1.9%減の390万9,156台となった(添付資料表1参照)。2022年第3四半期以降で初めてのマイナスとなる。

ディーラーでの在庫が改善され、メーカーが提供する割引額も上昇傾向にある中での今回の結果は、米国連邦準備制度理事会(FRB)による政策金利引き下げを控え、自動車ローン金利の低下を期待する消費者が、新車購入を先延ばしにしたことが主に影響したとみられる(2024年9月19日記事参照)。自動車関連サービス企業のコックス・オートモーティブのジョナサン・スモーク・チーフエコノミストは「消費者はまだ将来に明るい気持ちを持っておらず、今が高額商品を購入する良い時期だとは確信が持てていない」と述べた(ブルームバーグ10月1日)。2024年8月時点の平均車両販売価格は4万7,870ドルと依然高い水準が続いている(ケリー・ブルーブック9月11日)。価格に敏感な消費者心理は、購入よりも比較的コストの低いリースの利用が増加していることにも表れている。コックス・オートモーティブによると、1~9月期の新車販売台数の25%がリース販売となり、前年同期の20%から増加した。

販売台数を部門別にみると、乗用車が前年同期比5.5%減の78万1,654台、小型トラックが0.9%減の312万7,502台といずれも減少した。一方で、乗用車では小型乗用車が2.4%増、またテスラのバッテリー式電気自動車(BEV)「サイバートラック」の純増分が押し上げたことなどから、ピックアップトラックが2.8%増と伸びた。

主要メーカー別にみると、上位3社では、ゼネラルモーターズ(GM)はピックアップトラック「シルバラード」などが落ち込み、65万6,531台(前年同期比1.9%減)、トヨタはスポーツ用多目的車(SUV)「グランドハイランダー」などが減少し、54万2,872台(8.0%減)、フォードはSUV「エクスプローラー」などが好調で50万495台(0.7%増)だった(添付資料表2参照)。4位以下では、ホンダはBEVの「プロローグ」が伸びて8.0%増となり、ステランティスはピックアップトラック「ラム」などが押し下げて19.9%減と大幅に減少した。同社は9月30日、業績悪化を受けて通年の業績見通しを下方修正している。

クリーンビークルは110万台超

1~9月期の販売台数を動力別にみると、ガソリン車は前年同期比4.9%減と減少する一方で、BEV、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCV)、ハイブリッド車(HEV)を合わせた電動車は19.2%増と大きく伸びた(添付資料表3参照)。中でもHEVは、トヨタ「カムリ」などが押し上げて、32.6%増と大幅に増加した。また、電動車のうちHEVを除くクリーンビークルは、8.6%増の117万3,701台となり、全車に占める割合は0.9ポイント上昇して10.0%となった。GMのBEV「ブレイザー」やフォード「Fシリーズ」など米国系メーカーなどが伸びている。

(大原典子)

(米国)

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