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スイス中銀、政策金利を0.5%に引き下げ、2025年のGDP成長率を1~1.5%と予測(スイス)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月13日 16時0分

スイス中央銀行(SNB)は12月12日、政策金利を0.5ポイント引き下げ、0.5%にすると発表し(プレスリリース)、翌13日から適用した。利下げは、9年ぶりに利下げした3月の会合、さらに6月の会合(2024年6月24日記事参照)と9月の会合(2024年9月27日記事参照)に続いて、4会合連続となった。SNBは、基調的なインフレ圧力は第3四半期(7~9月)も低下したとし、今回の金融政策緩和に当たり、この動向を考慮したとしている。

9月の金融政策評価以降の消費者物価指数(CPI)上昇率(インフレ率)は再び予想を下回り、8月の1.1%から11月の0.7%に低下した。この下落には、商品とサービスの双方が寄与し、スイスのインフレは依然として主に国内サービスに牽引されているとした。

SNBによる新たな条件付きインフレ予測は、2024年の平均年間インフレ率が1.1%、2025年は0.3%と、9月の予測からそれぞれ0.1ポイント、0.3ポイント下方修正し、2026年は0.8%と、0.1ポイント上方修正した。短期的には、とりわけ石油製品と食品のインフレが予想を下回ったことを反映したものだとしている。

9月の金融政策評価では、一段の金融緩和が必要になる可能性を既に示唆しており、その後、インフレ率はさらに低下した。インフレ率は依然として物価の安定と整合的な範囲内にあるが、インフレの先行きについては、依然として不確実性が高いとしている。通貨スイス・フランの動向は引き続き重要な要素で、金融政策のさらなる緩和が主要な手段であり続けるとした。同時に、必要に応じて外国為替市場に介入する用意があることを示した。

スイス経済の見通しについては、2024年のGDP成長率を1%程度と予想しており、ここ数四半期の金融政策の緩和により、2025年はわずかだが成長が回復し、1~1.5%になると予測している。こうした環境下では、失業率は小幅な上昇を続けるとみられ、生産設備の稼働率は幾分低下するとみている。スイス経済は世界経済と同様に、大きな不確実性にさらされており、国外の動向が引き続き主なリスクだと分析している。

(田中晋)

(スイス)

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