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IMF、金融支援の第2回審査完了、約3億3,600万ドルを追加支援(スリランカ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月20日 0時30分

IMFは6月12日、スリランカへの金融支援パッケージ〔拡大信用供与(EFF)プログラム、4年間で総額22億8,600万SDR(約30億ドル、注)〕の第2回審査を理事会で承認し、2億5,400万SDR(約3億3,600万ドル)を追加で拠出すると発表した。同プログラムによる資金援助は今回が3度目で、累計で7億6,200万SDR(約10億ドル)となった。スリランカ政府は第2回審査結果について、3月21日にIMFの担当者レベルの合意を受けていた(2024年4月4日記事参照)。

IMFは、スリランカが2023年12月末までの目標のうち社会福祉に関する支出項目を除いて全てを達成、2024年4月末までの構造改革目標もほとんど達成したと評価している。スリランカ経済が回復基調にあることを認め、その根拠として経済成長率がプラス(2023年後半は3%)に転じたことや、物価上昇率の抑制(2024年5月は0.9%)、外貨準備高の拡大(2024年4月末で55億ドル)、税収増加による基礎的財政収支の黒字化などを挙げた。

他方、IMFは、依然として同国の経済が脆弱(ぜいじゃく)で、債務再編や税収確保、外貨準備高の蓄積、銀行を通じた景気回復支援策に課題があると認めている。9月から10月に控える大統領選挙後の債務再編や政策の方向性は不確実で(2024年5月14日記事参照)、税収拡大に関する改革が弱まる可能性を指摘した。一方、経常収支は外国人観光客の増加や送金収入の改善で、2024年も黒字維持を予想する。

債務再編に関しては、スリランカ政府による債権者との交渉進展を歓迎した上で、公的債権者との迅速な覚書締結や中国輸出入銀行との最終合意を完了させるとともに、外部民間債権者との金融支援プログラム目標に沿った債務再編を求めた。IMFのスリランカ担当シニア・ミッション・チーフのピーター・ブロイヤー氏は、同国と公的債権者が金銭的・法的な条件については合意しており、残る手続き上の問題が早急に解決されることへ期待を表明した。

(注)Special Drawing Rightの略で、特別引出権。通貨ではないものの、その価値はドル、ユーロ、中国人民元、日本円、英国ポンドの5通貨のバスケットに基づいた国際準備資産。

(大井裕貴)

(スリランカ)

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