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4月の物価上昇率は引き続き減速、6カ月ぶりの1桁台に(アルゼンチン)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月23日 0時40分

添付資料PDFファイル(220 KB)

アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)は5月14日、4月の消費者物価指数(CPI)上昇率が全国平均値で前月比8.8%増だったと発表した。前月比の伸び率は4カ月連続で減速し、2023年10月以来の1桁台の上昇率となった。前年同月比(年率)では289.4%増と、5カ月連続で200%を超えた(添付資料図参照)。1~4月累計の上昇率は65.0%だった。

4月の前月比の伸び率を項目別にみると、季節によって価格が変動する生鮮食品や観光サービスなどの財・サービスは9.9%増、季節要因などを除いたコアインフレ率も6.3%増で、3月に比べて落ち着きがみられた。エネルギーや公共サービスなどの価格が規制されている財・サービスは18.4%増で、前月に比べて伸び幅が大きかった。

前月比の伸び率を費目別に見ると、住宅・光熱・その他燃料が35.6%増と、平均値を大きく上回った。INDECは水道やガス、電気の公共サービス料金の引き上げによるものとした。その他、通信の14.2%増、衣類・靴類の9.6%増、医療・健康の9.1%増が平均値を上回った。CPIに占める比重が大きい食品・飲料(酒類を除く)は6.0%増で、3月の10.5%増から落ち着きを見せた(添付資料表1参照)。

5月15日付の現地紙「ラ・ナシオン(電子版)」は民間エコノミストらの分析を取り上げ、コアインフレ率が2023年1月以来の低い水準に落ち着いたことがCPI上昇率の低下に寄与したものの、公共サービス料金の値上げが新たな押し上げ要因になったとしている。また、今回のCPI上昇率の著しい鈍化は、国内の需要低迷によるものとも分析されている。5月のCPI上昇率の見通しについては、政府が5月1日から予定していた電気、ガス、燃料料金の引き上げを延期すると発表したことに加え、民間医療サービスの値下げも反映され、前月比で5%を下回る可能性があるともされる。しかし、将来的な公共サービス料金の見直しは不可避とされているため、料金の引き上げとともに、再び物価上昇が加速するのではないかとの懸念もある。

ジェトロが5月20日にブエノスアイレス市内で独自に行った価格調査(添付資料表2参照)では、割引セールなどで特に家電の値下げが目立ったが、食品でも値下げや1桁増にとどまった品目がみられた。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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