CATL、南京市と戦略的協力協定を締結、ゼロカーボンシティー建設へ(中国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月4日 1時40分
中国の車載電池大手の寧徳時代新能源科技(CATL)は6月23日、江蘇省南京市政府とゼロカーボンシティー(注)建設に向けた戦略的協力協定を締結したと発表した。
協定では、太陽光発電とエネルギー貯蔵システムの構築、交通輸送分野の電動化、エネルギーなどイノベーションプラットフォームの設置、ゼロカーボンパークの建設などで協力するとした。また、研究開発や生産、リサイクルなどの分野でエコシステムの形成と発展を模索することでも合意した。
南京市の各区もCATL傘下の子会社と協力協定を締結した。このうち玄武区は電池交換サービスなどを展開する時代電服、溧水区は高性能複合材事業を手がける時代智能と、自動車関連技術を研究開発する富古汽車、江寧区は洋上風力発電などのシステムを研究開発する時代緑能と、それぞれ協定を締結した。
ほかにも、CATLは5月23日、マカオ特別行政区、横琴・マカオ深度合作区とも戦略的協力協定を締結し、新エネルギー産業や科学技術などの面で連携すると発表した。また、6月17日には天津市政府と同協定を締結し、新エネルギーバッテリー、大型の電気自動車(EV)トラックの充電・バッテリー交換などのインフラ整備、インテリジェント・コネクテッド・ビークル(ICV)、循環型経済などで連携するとした。
国家発展改革委員会は2023年11月6日に「国家カーボン・ピークアウト・パイロット・エリアの設立プラン」を発表し、翌12月には全国25都市のほか、南京経済技術開発区を含む10カ所をカーボンピークアウトのテスト都市・エリアに選定すると発表した。今後、各地方政府の中には、CATLのような新エネルギー関連の大手企業と連携しながら、グリーン・低炭素化を推進し、ゼロカーボンシティーの建設を行うところが増えるとみられる。
(注)ゼロカーボンシティーとは、温室効果ガス(GHG)の一種の二酸化炭素(CO2)の排出量と吸収量を均衡させ、全体の排出量をゼロにしたカーボンニュートラルを達成した都市を指す。
(龐婷婷)
(中国)
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