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長安汽車、広州汽車と提携協定を締結(中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月17日 0時20分

中国自動車大手の長安汽車(本社:重慶市)は6月6日、広東省に本社を置く広州汽車集団と戦略的提携に関する協定を締結したと発表した。発表によると、両社は共通プラットフォーム・技術や産業チェーン、国際事業、産業基金などの分野で協力を深め、中国自動車産業の競争力の向上に共同で取り組んでいくとした。

今回の提携について、長安汽車の朱華栄董事長は「両社が互いの優位性を生かしながら資源を共有し、協同して戦略を策定することで、激しい競争に対処するとともに、『新たな質の生産力』(注)を形成し、自動車産業が抱える課題の解決を図っていく」と強調した。広汽集団の曽慶洪董事長は「中国自動車産業は、これまでに経験したことがない大きな環境変化に直面している。両社は自主ブランド自動車の強化を戦略的方向性と歴史的使命として堅持し、それぞれの産業資源の優位性を十分に発揮することにより、自動車産業における『質の高い発展』を推進する」と述べた。

今回の提携は、6月6~8日に重慶市で開催された「2024中国自動車重慶フォーラム」の会期中に発表された。同フォーラムは「変革期の自動車産業の未来を切り開く」をテーマに、中国の新エネルギー車(NEV)大手の比亜迪(BYD)の王伝福董事長をはじめ、長安汽車、広州汽車、東風汽車、上海汽車など中国大手自動車メーカーの経営幹部らが多数参加。日系メーカーでは、トヨタ自動車の中国現地法人かつ地域統括会社のトヨタ自動車中国投資と、マツダと長安汽車の合弁会社の長安マツダ汽車の幹部が参加した。

開幕式で中国国際貿易促進委員会自動車産業委員会の王俠会長は「自動車産業の変革期の潮流は簡単には終結せず、長期戦を戦わなければならない」と指摘。その上で「(変革期の)後半戦は価格競争から始まるものの、最終的には技術と価値で決着をつけなければならない」と語った。また、王会長は中国自動車メーカーの海外展開に関して「グローバル化は後半戦での急務だが、その過程は苦難と不確実性に満ちており、忍耐と英知をもって進めていくべき」と述べた。登壇した中国自動車メーカー各社の代表者のコメントからは、中国市場の過当競争への危機感が表れていた。広州汽車の曽慶洪董事長は「新エネルギー車の販売では、売り上げの増加に利益が伴っていない。ガソリン車の市場シェアが低下するに従い、利益と税収も減少している」と指摘。また、ブラジルやメキシコ、米国を視察したが、国外市場では依然としてガソリン車の需要が高いとした上で「新エネルギー車を追求するがために、ガソリン車の発展を放棄すべきではない。ガソリン車の産業チェーンのさらなる最適化を進め、中国自動車の国外市場での競争力を目指す」と強調した。

写真 「2024中国自動車重慶フォーラム」の様子(ジェトロ撮影)

「2024中国自動車重慶フォーラム」の様子(ジェトロ撮影)

(注)2024年3月5日に行われた第14期全国人民代表大会(全人代)第2回会議で、李強首相は政府活動報告で、2024年の重点業務の1つとして「現代化産業体系の構築を大いに推し進め、新たな質の生産力の発展を加速させる」と言及した(2024年3月6日記事参照)。

(王植一)

(中国)

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