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横浜市・川崎市のディープテック4社、SWITCH2024に出展(シンガポール)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月15日 1時5分

シンガポールで10月28~30日に開催された「SWITCH 2024」のジャパンパビリオン(2024年11月12日)に、ジェトロが支援する横浜市および川崎市のディープテック分野のスタートアップ4社が出展した。個別商談などにより、海外展開の可能性を広げる有効なネットワークを構築した。

横浜市と川崎市は、内閣府が進める「世界に伍(ご)するスタートアップ・エコシステム拠点形成戦略」に基づき認定された、8つの拠点都市の1つである「スタートアップ・エコシステム東京コンソーシアム」に含まれている(注)。横浜市は、研究者・技術者人口の多さやグローバル企業の研究開発(R&D)拠点が集積する強みを生かし、最近では特にクリーンテックやモビリティ領域のスタートアップの創出に力を入れる。川崎市は、従来型の重厚長大産業から転換し、製造業の大企業と中小企業の研究開発拠点が集積しており、産学官の連携により、特にライフサイエンスや環境、エネルギー、人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)領域のスタートアップの支援体制強化を目指す。両市のスタートアップ支援方針を踏まえ、ジェトロは支援対象をテック系スタートアップに定め、海外ビジネスの具現化を狙う独自のプログラムを提供してきた。

今回出展したのは、現在、横浜市または川崎市に本社や拠点がある、もしくは今後、両市に拠点を構える計画を持つスタートアップ4社で、各社の事業概要は次のとおり。

3D Architech:低コストと高精度を実現する革新的な金属3Dプリンティング技術の開発
NEXTAGE:高品質ワサビの安定出荷を可能とする集中管理型栽培モジュールの開発
フィジオロガス・テクノロジーズ:給水設備不要の在宅血液透析システムの開発
リスク計測テクノロジーズ:多用途に活用可能な音声解析による感情や眠気計測技術の開発

写真 (左)出展4社とサポートメンバー、(右)4社の商談の様子(ともにジェトロ撮影)

(左)出展4社とサポートメンバー、(右)4社の商談の様子(ともにジェトロ撮影)

4社は、同展示会での商談に備え、事前にネイティブスピーカーによるピッチやロールプレイのトレーニングを受けたほか、起業家支援を提供するツクリエの現地パートナーによるメンタリングを受けた。会期中には、計18件の個別商談や来場者との商談を実施し、今後のASEANにおける具体的な事業展開につながる可能性のある顧客やパートナー候補、政府系機関や大学関連組織、ベンチャーキャピタルなど、有力関係者とネットワークを構築した。

今回の展示会出展を踏まえ、各社の一層の事業発展や地域のスタートアップの海外展開の促進を図ることを目的に、シンガポールのステークホルダーを2025年2月に日本に招聘(しょうへい)し、各社が実証実験を行う横浜市、川崎市の現場視察や海外展開スタートアップイベントに参加してもらう予定だ。

(注)東京を中心とした東京圏一円のスタートアップ・エコシステム。スタートアップ・エコシステムの強化育成を多角的、重層的に行い、イノベーションの社会実装を後押し、地域への還元や東京圏の経済の持続的な発展を目指す。

(廣瀬直彦)

(シンガポール)

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