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米自動車業界団体、中ロが関係するコネクテッドカーの輸入・販売禁止に対しコメント発表(米国、中国、ロシア)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月1日 0時35分

主要自動車メーカーが加盟する米国業界団体の自動車イノベーション協会(AAI)は9月23日、米商務省が同日発表した中国とロシアが関係するコネクテッドカーなどの輸入または販売を禁止する「コネクテッドカーにおける情報通信技術サービス(ICTS)サプライチェーンの保護」の規則案に対するコメントを発表した(2024年9月24日記事参照)。コメントを今回出した規則案は、中国またはロシアが関与するVCS(車両接続システム)ハードウエアや、特定のVCS、ADS(自動運転システム)のソフトウエアが搭載されたコネクテッドカーなどの米国への輸入や米国での販売を禁止するもの(注)。

AAIのジョン・ボゼーラ会長兼最高経営責任者(CEO)は「現在のコネクテッドカーのサプライチェーンのうち、ハードウエア、ソフトウエアのいずれも、実際に中国から米国に入ってくる技術はごくわずかだ。しかし、今回の規則により、自動車メーカーは場合によっては新たなサプライヤーを探す必要がある。世界で最も複雑なサプライチェーンは、一夜にして変えることはできない。一部の自動車メーカーは、規則案に示されたリードタイムの間に必要な移行を行うことができるが、ほかのメーカーにとっては短すぎる可能性がある。同規則案の策定は、商務省産業安全保障局(BIS)による思慮深く徹底した協議プロセスだったが、われわれは業界の現実を反映し、共通の国家安全保障に対する目標を達成するよう、最終規則が策定される際にさらなる視点を提供していく」と述べた。商務省は9月26日からパブリックコメント募集を開始したが、同日の段階で自動車メーカーなどから、対象製品の見直しなどを含む58件のコメントが提出された。

2023年に米国が中国から輸入した自動車車両(乗用車、貨物用自動車:HSコード8702~8704)は合計で約40万台、ロシアは11台といずれも限定的だ。しかし、ゼネラルモーターズ(GM)がビュイックの人気モデル「エンビジョン」、フォードがリンカーンの販売最多モデル「ノーチラス」を中国で生産して輸入しているほか、中国の電気自動車(EV)メーカーBYDの子会社BYDノースアメリカがカリフォルニア州ランカスターでEVバスを製造するなど、一定の影響は回避できないとの見方もある。商務省のエリザベス・キャノン情報通信技術・サービス局長はロイターに対し、「現時点では、中国で製造され米国で販売されるあらゆる車両が禁止対象になると予想している」とし、「GMとフォードは今後、米国市場向け車両の中国での生産を停止し、ほかの場所に移転する必要があることを認識している」と述べた(ロイター9月23日)。

(注)詳細は官報のV. Discussion of the Proposed Rule and Request for Comments, a. Definitions項を参照。

(大原典子)

(米国、中国、ロシア)

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