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2024年第2四半期のGDP成長率は前期比0.2%(オーストラリア)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月11日 0時10分

添付資料PDFファイル(255 KB)

オーストラリア統計局(ABS)は9月4日、2024年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率が前期比0.2%、前年同期比は1.0%と発表した(注)(添付資料表1、表2参照)。前期比は2021年第4四半期から11四半期連続でプラス成長となった。一方、年度ごとの推移をみると、2023年度(2023年7月~2024年6月)の実質GDP成長率は1.5%で、1991年度以降では新型コロナ禍が始まった2019年度を除いて最も低い伸びだった。

需要項目別でみると、政府最終消費支出は前期比1.4%増に拡大した。連邦政府の支出(防衛支出以外)が7四半期連続で増加し、当期の成長を牽引した。社会保障制度に関連する支出の増加や、公務員への給与支払いの増加による州政府および地方自治体の支出増も寄与した。一方で、民間最終消費支出は前期比0.2%減だった。主に輸送サービス(特に航空機旅行)などの裁量的支出が減少したことが要因となった。国内総固定資本形成も前期比0.1%減となり、3四半期連続でマイナスとなった。うち、民間部門が0.6%減となり、なかでも農業や小売業の投資減少により機械設備の投資は2.4%減少した。財貨・サービスの輸出入については、輸出が教育関連のサービス輸出が増えたことで0.5%増となった一方、輸入は産業機械などの財の輸入が減少したことで0.2%減となった。

産業別にみると、主にサービス産業が好調で、情報通信業(前期比1.6%増)、運輸・郵便・倉庫業(0.6%増)、医療サービス業(0.4%増)、専門・科学技術サービス業(0.4%増)などが成長に寄与した。主要産業の鉱業は前期比0.3%減と振るわなかった。鉄鉱石が3.3%増と好調だった一方、石炭(3.4%減)、石油・ガス(2.5%減)は天候不良により生産が減少した。

連邦政府のジム・チャルマーズ財務相は、9月4日付のプレスリリースで、成長が伸び悩んでいるのは、不確実性の高い世界経済、高金利や継続するインフレの影響だと指摘した。複合的な要因が家計に重くのしかかり、国民が消費を抑えていることがデータから見てとれる、と説明した。

(注)金額は全て季節調整済みの数字。

(青島春枝)

(オーストラリア)

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