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IMF、バングラデシュ外貨準備高の純残高など公開、目標を修正(バングラデシュ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月10日 0時25分

IMFは6月24日、総額47億ドルに及ぶバングラデシュ政府への融資に係る第2回公式審査(2024年7月5日記事参照)の詳細を記載したスタッフレポートを公表した。同レポートでは、バングラデシュ銀行(中央銀行)が非公開とする主として短期間で流動する外貨を差し引いたネット値の外貨準備高(Net International Reserves:NIR)が2023年12月31日時点で167億2,800万ドルだったことや、当該準備高が目標値(177億8,400万ドル)を未達成だったため、中銀から当該目標の免除(a waiver for the non-observance)と、次回の審査対象となる2024年6月末時点の同目標値の下方修正(147億8,600万ドル、注)が要請され、IMFで受理されたことなどが明らかになった。

同レポートでは、IMFの定める政策目標に沿って中銀による金融引き締めや市場の需給に応じた変動相場制への移行措置を講じていることへの評価に加え、IMFと世界銀行の合同アセスメントでは、同国の対外的な債務リスクは依然として低いと評価している。特に中小企業向けの食品輸入など限定的だが、中銀が2022年以来講じている輸入(L/C開設)の抑制措置(2022年7月19日記事参照)が緩和されていることから、2023/2024年度(2023年7月~2024年6月)の第2四半期(2023年10~12月)に経常赤字(輸入増)に転じたものの、同年度全体ではGDP比0.1%程度の小規模な経常赤字となる見通しだ。2024年5月の新たな為替相場制度の導入・変動相場制への移行はマクロ経済の安定、外貨準備の確保に当たって重要な施策としつつ、通貨タカ安のさらなる進行や、その後のインフレ率上昇に際しては、さらに強力な政策調整が必要になるとの見解も示した。具体的には、現下の金融引き締めは中銀の定める中長期のインフレ目標(5~6%程度への低下)達成まで必要で、2024/2025年度末の2025年6月時点の同目標値(7%)に向けて、例えば、同年度の中ごろには政策金利を現在の8.5%から9%に引き上げる必要が生じる可能性もあるとした。

また、郷里送金(2024年6月26日記事参照)について、IMFは上述の為替相場の移行措置(公定レートと実勢レートの差の縮小)が着実に行われることで、同送金の促進策の1つとして従来講じられてきた政府による送金受領者への現金インセンティブ(2.5%)の削減が可能となり、最終的には不必要(歳出が効率化される)とした。その他、融資にひもづく各種目標に係る評価にも言及しており、次回の目標達成状況(6末時点)に係る公式審査の完了は2024年11月1日以降の予定とされている。

(注)同融資に係る第1回公式レビューの完了時(2023年12月)にも下方修正がなされ、2024年6月末時点の目標値は201億900万ドルと定められていたが、今回の審査によってさらに約54億ドル下方修正された。今回の発表によると、直近(2024年4月時点)のNIRは128億ドルとなっている。

(山田和則)

(バングラデシュ)

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