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英政府、車両型式認証制度に関するビジョンを発表(英国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月31日 0時35分

英国政府は5月16日、英国市場に上市(市場投入)される車両や部品に適用されるグレートブリテン(GB)型式認証制度の今後のビジョンを示す政策文書を発表した。英国では、EU離脱(ブレグジット)に伴い、新車の継続的な販売と登録を可能にする暫定的な型式認証制度が施行、2022年12月には乗用車と貨物車を対象としたGB型式認証制度が発効した。この制度は2024年2月1日から新型モデルに適用され、2026年2月までに全ての既存モデルに適用される。

今回の発表では、英国の自動車メーカーと消費者のニーズを満たすために、現行の車両型式認証制度を見直すビジョンが示された。市場に投入される新型車が英国の高い安全基準と環境基準を満たす一方で、可能な限り規制順守に係る管理負担を軽減するとしている。

新制度の構築について、次の3つの原則が示された。

1. 国際基準〔国連欧州経済委員会(UNECE)規則〕を可能な限り活用することで、輸出入業者が順守しやすいものにする。
2. 世界各国の基準・試験を承認する柔軟なアプローチを採用する。
3. 英国に利益がある場合は、英国独自の要件やプロセスの導入を検討する。

短期的には、今後3年間の計画で、3つの原則に基づき関連する「維持されたEU法(retained EU law、注)」の改革を行う予定。

北アイルランドについては、新車の場合、自動車メーカーは引き続き北アイルランドで取得した型式認証を用いて英国市場に上市することができる。EU型式認証を取得している場合は、引き続き北アイルランド市場に上市できるようにする。

環境分野では、GB型式認証制度が国際的な要件に合致するよう、既存の要件に代わりEUの排出ガス規制であるユーロ6e相当のUNECE規則を盛り込む法整備を行うとしている。さらに、2025年までに新たな排出ガス基準を定める法案を提出する予定とし、ユーロ7の策定動向を注視するとしている。

自動運転などの分野では、2024年末までにUNECE規則(国連協定規則第157号)によって承認された自動車線維持システム(ALKS)をGB型式認証へ導入、2026年末までに、自動運転車両に対応するために型式認証規則を改正。その過程では、並行するUNECEでの型式認証制度策定を考慮する。

そのほか、2024年中に、新車に対してUNECE規則(国連協定規則155号)を義務づけることでサイバーセキュリティーリスクに対処する法整備を行い、水素を燃料とする非道路用移動式機械(NRMM)の道路上での利用を認める法整備も行う。

政府は今後、改革案に対する意見公募や、技術的な詳細を追加するためのワークショップなど利害関係者が参加するプロセスを検討している。

(注)EU離脱の移行期間終了時に、英国法にそのまま置き換えられた、英国の法体系に直接組み込まれていたEU法。

(奈良陽一)

(英国)

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