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公営エネルギー企業の概要発表、再エネオークションの予算枠も増額(英国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月7日 0時45分

英国政府は7月25日、公営クリーンエネルギー企業「グレート・ブリティッシュ・エナジー(GBE)」設立に関する政策文書を発表した。同社はエネルギー安全保障・ネットゼロ相が所有者となり、独立した運営体制の下、長期的に独立採算制の組織を目指し、収益を新しいプロジェクトに再投資する。

発表文書では同社の5つの役割を示した。

投資・所有:クリーン発電資産、特に浮体式洋上風力や炭素回収など未成熟な技術に投資、所有する。投資家などと連携した投資案件の提案。
開発:イングランド、ウェールズ、北アイルランド周辺の海底の土地を管理するクラウンエステート(国王資産の管理機関)とのパートナーシップによる開発支援。2030年までに最大30ギガワット(GW)の洋上風力向けの海域リース権益を供給、最大600億ポンド(約11兆1,600億円、1ポンド=約186円)の民間投資を見込む。港湾やサプライチェーンへの投資による既存事業の迅速化、開発事業者のリスク低減やリース契約から建設の迅速化も行う。そのほか、陸上・洋上風力の開発初期段階プロセスの迅速化を検討。
地域発電計画:地方自治体などと連携、資金援助などを通じて確立された技術の中小規模の再生可能エネルギー(再エネ)プロジェクトを展開、最大8GWの再エネ電源を開発。
サプライチェーン:公共部門と連携し、国内のクリーンエネルギーサプライチェーンに対する包括的な支援パッケージを提供。
グレート・ブリティッシュ・ニュークリア(GBN):原子力産業を支援する政府組織GBNとの連携を検討。

今後数カ月間でスコットランドに設置予定の本社所在地の発表、人材募集、ステークホルダーエンゲージメントなどを行う。

政府はまた7月31日、再エネ支援スキームの差額決済契約(Contracts for Difference:CfD、注)制度の第6回オークションの予算枠拡大も発表した。3月にスナク政権(当時)が発表した過去最大の10億ポンドの予算枠(2024年3月15日記事参照)を15億ポンド超に拡大する。

内訳となる技術別の枠は次のとおり。

ポット1(陸上風力や太陽光などの「確立された技術」):1億8,500万ポンド(6,500万ポンド増)
ポット2(浮体式洋上風力発電や潮力発電などの「確立途上の技術」):2億7,000万ポンド(1億6,500万ポンド増)
ポット3(洋上風力):11億ポンド(3億ポンド増)

(注)発電事業者の再生エネへの投資リスクを減らすため、運転開始から15年間、対象となる電源の固定価格(ストライクプライス)と市場価格の間の変動する差額を政府が補填(ほてん)する制度。事業者はオークションで、技術ごとに固定価格と設備容量を提示して競う。

(奈良陽一)

(英国)

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