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英国総選挙、労働党が優位を維持し、7月4日に投票へ(英国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月3日 11時20分

添付資料PDFファイル(137 KB)

英国では、下院(定数650)総選挙が大詰めを迎えている。野党・労働党が優位を保ったまま、7月4日に投票が行われる(2024年6月28日付地域・分析レポート記事参照)。

労働党は「変化」を掲げ、保守党政権による混沌(こんとん)から脱却し、政治・経済をリセットするとしている。一方の保守党は「明確な計画、大胆な行動、安定した未来」を掲げ、労働党との差別化を図ってきた。

調査会社ユーガブが6月19日に発表した推計獲得議席数では、労働党が425議席と、定数の半数を大きく上回る議席を獲得するとみられている(添付資料表参照)。

保守党は前回選挙の365議席から257議席減の108議席と推計されている。同党は前回調査(6月3日発表)からも32議席減となっているが、これには極右のリフォームUKのナイジェル・ファラージ氏の立候補表明も影響したとみられる(2024年6月24日記事参照)。ユーガブは6月19日の発表で、リフォームUKが獲得すると推計した5議席については、全て保守党から流れたものとしている。なお、リフォームUKは同氏の立候補表明後に支持を伸ばしていたが、人種差別的な発言を理由とした候補者への支持取り下げや、そうした党の状況を理由とした候補者の離脱が生じており、支持低下は免れないとの見方もある(「ポリティコ」7月2日)。

自由民主党は前回総選挙から56議席増の67議席と推計。伝統的な地盤での勝利に加え、今回の総選挙で反保守党のスタンスを打ち出す同党に対する労働党支持者からの戦術的投票などが背景として挙げられている(「ガーディアン」6月18日)。

窮地に追い込まれている保守党は、2日に行われた選挙集会にボリス・ジョンソン元首相が登壇。リシ・スナク首相はジョンソン政権下で財務相を務めていたが、同氏と対立して辞任したことから、登壇は驚きをもって受け止められた。ジョンソン氏は、労働党政権の誕生に比べれば、スナク氏との相違は非常にわずかなものとし、労働党を批判した。スナク氏も、保守党で団結して労働党の超多数(Super majority)を防がなければならないと述べた。

一方の労働党のスターマー党首は「タイムズ」(7月1日付)の取材に対し、英国を大きく変え、人々がよりよい生活を実感できるようにするとコメント。変化を実現するには議席は多いほどよいとも述べた。

(山田恭之)

(英国)

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