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国際カカオ機関、カカオ豆需給予測を更新(コートジボワール)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月17日 1時15分

コートジボワールに本部を置く国際カカオ機関(ICCO)は5月31日、2023/2024年度(2023年10月~2024年9月)のカカオ豆需給予測を更新した。ICCOのカカオ統計季報によると、カカオ市場は、カカオ豆の不作による世界的な供給不足に起因した記録的な価格高騰にもかかわらず、消費が衰えずに需給がタイトになっている(2024年4月10日記事参照)

2024年2月の発表では、世界の需給バランスについて、37万4,000トンの供給不足と予測していたが、磨砕加工ペースが予想ほど落ち込んでいないことから、供給不足を43万9,000トンに上方修正した。

チョコレートやココア製品需要の先行指標となる世界の磨砕量は485万5,000トンと、前年度比4.3%減の予測だ。磨砕量は、カカオ豆の供給不足と価格の高騰で需要の後退を招き、大幅な減少が予想されていたが、欧米をはじめとする輸入国で加工ペースが維持されている。そのため、需要は引き続き旺盛とみて、供給不足の量は上方修正された。一方、カカオ産地のコートジボワールは、世界最大の加工能力を保有するが、カカオ豆の不足で磨砕量が減少している。世界の在庫量は132万8,000トンと、前年度比24.8%減少する見通しで、かつてない低水準となる。

世界の生産量は446万1,000トンと、前年度に比べ11.7%減少する見通しだ。世界生産の4割を占めるコートジボワールや2割を占めるガーナなど主産地の西アフリカで、天候不順や病害の影響によって収穫量が大幅に減少したためだ。特に世界2位の生産国ガーナは、カカオ腫脹性シュートウイルス病(CSSVD)や、金の違法採掘による農園の減少などで、壊滅的な影響を受け、生産量が50万1,000トンと、前年度約23%減少する見通しだ。

ニューヨークとロンドンの市場での先物価格は2024年3月、初めて1トン1万ドル台に到達し、この1年で価格が3倍になっている。このような中、EUでは、2023年6月29日に発効した森林破壊防止のためのデューディリジェンス義務化に関する規則が2024年12月30日から大企業に、2025年6月30日から中小企業に対して適用が開始される予定で、カカオ市場は多くの不確定要素にさらされている(2023年2月24日記事参照)。

(渡辺久美子)

(コートジボワール)

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