イスタンブールで日本産酒類商談会を開催(トルコ、日本)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月12日 1時25分
国税庁は11月5日、在イスタンブール日本総領事館とジェトロと協力し、イスタンブールで日本産酒類商談会を開催し、日本酒や焼酎の蔵元など6社が参加した。日本とトルコの外交関係樹立100周年の節目の年でもあり、「伝統的酒造り」のユネスコ無形文化遺産への登録勧告と同日の開催となったイベントには、トルコ国内約40人のレストランやバーの関係者、輸入業者などが集まり、盛況だった。
セミナーで英国Enshu Ltdの大久保氏の講演を真剣に聞く参加者(ジェトロ撮影)
イベント前半では、日本酒、焼酎の製法や特徴について、日本側とトルコ側2人の講師が講演し、参加者は日本酒、焼酎をそれぞれ試飲した。焼酎は半数以上が未体験だった。後半のB2Bセッションでは、日ごろ日本酒や焼酎になじみがなくても、イメージがわきやすいよう、各社の商品とトルコ産食材を使ったペアリングメニューが提供された。
商品に合うペアリングメニューの提供(ジェトロ撮影)
日本からトルコへの酒類輸出は近年著しく伸びている。財務省統計によると、2021年の日本酒輸出量は約5,000リットルだったが、2023年には約2万2,500リットルと倍以上に増加した。次いでウイスキー、リキュール、ラム酒と続く。トルコはイスラム教徒が大部分を占めるが、ビールやワイン、蒸留酒のラクなどを自国で製造しており、飲酒をする人もいる。一般に食事は保守的な嗜好(しこう)とされるが、日本食人気が若者中心に広まる中で、日本産酒類も市場拡大が見込まれる。焼酎はいまだ流通がないが、カクテルベースなど広い用途に可能性を見いだすバー関係者もいる。参加した濵田酒造の国際事業課の下尾崎一仁氏は「今回主力商品の『だいやめ』は大変好評だ。市場理解を進め、初輸出に向けて、新たにつながったトルコのインポーターやバー、レストランの業界と現実的に動き出したい」と新規市場開拓へ意気込む。
一方で、トルコは容易な道のりの市場ではないことも確かだ。酒類に課される各種税が高く、また、果実酒や低アルコール度数の酒類については、輸入可否が不透明なケースが多く、輸入規制が複雑だ。業界関係者の日本酒、焼酎への専門知識や理解も発展途上といえる。
セミナー講師を務めた酒ソムリエの資格を有するトゥルグット・トクギョズ氏は、業界プロへの教育機会がこれまで少なかったと指摘し、「商談だけではなく、現地関係者が日本酒や焼酎への理解を深めることは不可欠だ」とコメントした。また、イスタンブール市内でレストランを複数経営するトルコ人オーナーは「多くの日本産酒類に市場参入してほしい。仕入れてもすぐに在庫がはけてしまい、常に次の入荷を待っている状況だ」と話す。フロンティア市場の高まる需要に対し、官民連携した取り組みが今後も期待される。
(友田椋子)
(トルコ、日本)
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