米エアタクシーのジョビー・アビエーション、トヨタが5億ドルを追加出資へ(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月3日 15時50分
電動垂直離着陸機(eVOLT)、いわゆる「エアタクシー」の開発・製造を行う米国のスタートアップのジョビー・アビエーション(本社:カリフォルニア州サンタクルーズ)は10月2日、トヨタ自動車が同社に5億ドルの追加投資を行うと発表した。投資は、2024年末までの1回目と2025年の2回目にそれぞれ同額で行われ、投資条件には商業化の第1段階に向けた製造提携の立ち上げが含まれている。
トヨタは、これまでジョビーに対し継続して投資を行っており、今回の追加投資額を合わせると総額8億9,400万ドルとなる。さらに、工程計画、製造方法の開発、金型設計の現場を通じて、トヨタ生産方式をジョビーと共有するため、エンジニアなどの人的資源も投入。2023年には、ジョビーの航空機生産にトヨタがパワートレインとアクチュエーターなどの主要部品を供給する長期契約を締結した。
ジョビーのジョーベン・ベバート創業者兼最高経営責任者(CEO)は、「今回の発表は7年近くにわたる両社の協力の上に築かれたものである」「トヨタが共有するノウハウとサポートは、ジョビーの成功において重要な役割となっている」と述べた。また、トヨタ・モーター・ノース・アメリカ(TMNA)の小川哲男社長兼CEOは「ジョビーが航空機の認証を取得し、商業生産に移行することを目にし喜んでいる」と述べた。トヨタのプレスリリースでは、今回の追加投資は、モビリティカンパニーへの変革の一環として、個人、あるいは日々の移動のためのエアタクシーを実現するという、創業家の豊田喜一郎氏から現会長の豊田章男氏に引き継がれている夢を反映したものだ、と説明されている。
米国のエアタクシーのスタートアップでは、アーチャー・アビエーション(本社:カリフォルニア州サンタクルーズ)が自動車メーカーのステランティスから出資を受け、商業運航を目指しており、競争が加速している(2024年8月9日記事参照)。
(芦崎暢)
(米国)
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