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ショルツ首相の信任投票が議会で否決、20年ぶりの解散・総選挙へ(ドイツ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月19日 13時20分

ドイツ連邦議会で12月16日、オラフ・ショルツ首相の信任投票が実施され、反対多数で否決された。この結果を受けて、ショルツ首相はフランク=バルター・シュタインマイヤー大統領に議会の解散を提案した。2025年2月23日に20年ぶりとなる議会解散・総選挙が実施される見通しとなった。

信任投票では、反対が394票で過半数に達した。反対票を投じたのは、最大野党のキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)をはじめ、連立パートナーだった自由民主党(FDP)など、ほぼ全ての野党勢力だった。ショルツ首相率いる社会民主党(SPD)は賛成、ともに連立政権を担っている緑の党は棄権した。

投票に先立ち、ロベルト・ハーベック副首相兼経済・気候保護相(緑の党)は地元紙に対し、「この国が迅速に投票を行い、できることなら政府も早急に樹立されることを強く望んでいる」と述べ、緑の党は所属議員に信任投票で棄権するよう勧めていた。公共放送ZDFなど複数のメディアによると、緑の党の棄権の理由は、賛成過半数になり得る可能性を確実に排除するためだったという(注1)。

ショルツ首相は信任投票前の演説で、今後も社会福祉政策とウクライナ支援を継続していく意思を明確にした。また、ドイツの将来に投資していくための財源確保として、債務ブレーキ緩和が必要だと訴えた(注2)。同時に、連立政権内で対立を招き、政権崩壊の原因をつくったFDPを無責任だとして強く批判した(2024年11月8日記事参照)。

不信任の結果を受け、ショルツ首相から議会解散を提案されたシュタインマイヤー大統領は、信任投票否決から21日以内に、首相提案を承諾して連邦議会を解散させるか判断する必要がある。また、議会が解散となった場合、解散後60日以内に総選挙が実施されるが、シュタインマイヤー大統領は11月時点で、不信任となった場合には速やかに解散を決定すること、また、総選挙は2025年2月23日を現実的な日程として考えていると明らかにしていた(2024年11月14日記事参照)。

(注1)一部メディアでは、親ロシア政策を主張する極右政党・ドイツのための選択肢(AfD)が、ロシアに対してより強硬な姿勢を示しているCDU首相候補のフリードリヒ・メルツ氏が首相となることを避けるべく、ショルツ政権を継続させるため、信任に回るという可能性が指摘されていた。

(注2)連邦政府の債務をGDPの0.35%未満に抑えるという財政規律のルール。

(打越花子、中山裕貴)

(ドイツ)

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