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行政長官の施政報告、地域の知的財産権取引センターの地位強化への取り組み発表(香港、中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月25日 0時5分

香港特別行政区政府の李家超(ジョン・リー)行政長官は10月16日、施政報告(施政方針演説)を行った。その中で知財に関して次のように言及している。

同報告では、前昨年に引き続き、「地域の知的財産権取引センター」(Regional Intellectual Property Trading Centre)と題する項目を設けている。まず、I&Tセクターとクリエーティブ産業の知的財産取引エコシステムを拡大することによって、地域の知的財産権取引センターとしての地位を強化するとした上で、知的財産に関する法的枠組みの強化として、次の1.~3.の具体的な取組みを挙げている。

1. 知的財産権の保護強化:香港政府は、研究開発によって生み出された革新性、創造性のある製品に対する保護を強化する。例えば、(1)2025年に人工知能(AI)技術開発の保護に関する著作権条例の強化案を提出する(2024年7月12日記事参照)、現在レビュー中の登録意匠制度について、2025年に協議を開始する、高等法院が知的財産訴訟をより効果的に管理・審理できるよう、知的財産訴訟手続を合理化の法改正を提案するなど。
2. AI活用した画像検索サービス開始:知的財産局(IPD)傘下の商標登録所は2025年に、一般市民が商標データベースを検索しやすくするため、AIを活用した画像検索サービス(AI-assisted image search service)を新たに開始する予定。
3. 国際社会への知的財産に関する判例の共有:香港は2025年、中央政府の支援を受け、世界知的所有権機関(WIPO)の判例データベースに参加する。香港の裁判所の重要な知的財産に関する判例の共有を通じて、国際社会に香港の知的財産に関する司法判断の質をアピールする予定。

また、知財人材の育成強化として、引き続き弁理士部門や関係者との協議を通じ、資格や登録など香港での弁理士サービスに対する規制の導入を計画することも掲げている。

さらに、同報告には、2025年も引き続き香港で「標章の国際登録に関するマドリッド協定の議定書」(2020年6月24日記事参照)を実施するための準備作業を進めていくことに言及している。

施政報告の詳細は香港政府のウェブサイトで確認できる。そのうち知財部分については香港知識産権署(HKIPD)のウェブサイトでも確認できる。

(島田英昭)

(香港、中国)

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