1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

王毅外交部長とブリンケン米国務長官が会談、意思疎通の継続に合意(中国、米国、ウクライナ、台湾、フィリピン)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月1日 9時30分

中国外交トップの王毅・共産党中央政治局委員兼外交部長(外相)は7月27日、米国のアントニー・ブリンケン国務長官とラオスのビエンチャンで会談した(米国側の反応は2024年7月30日記事参照)。両者は各レベルでの意思疎通を継続し、両国首脳のサンフランシスコ会談(2023年11月17日記事参照)での合意事項の着実な実施に同意した。

王政治局委員はこの3カ月(注)、外交、財政・金融、法執行、気候変動の各チームや両軍は意思疎通を続け、民間の往来も増加したと評価する一方、米国の中国に対する封じ込めと抑圧は強化されているとした。その上で、両国関係は悪化を防ぎ、安定に向かう重要な時期にあるとした。

また、中国の対米政策は一貫して相互尊重、平和共存、協力・ウィンウィンを堅持してきたが、米国は誤った対中認識を持ち続け、自らの覇権論理に照らして中国を見ているとした。米国には、共産党第20期中央委員会第3回全体会議(3中全会)で採択した「改革のさらなる全面深化と中国式現代化の推進に関する決定」(2024年7月25日記事参照)から中国共産党の現在と未来を読み取ることを望むとした。

台湾については、中国の一部であり、「台湾独立」と台湾海峡の平和は相いれないとした。南沙諸島の仁愛礁(アユンギン礁)については、暫定的取り決めに合意したとし、フィリピンは約束を守って建設材料を輸送してはならず、米国は問題をあおり立て、事態をかき回し、海域の安定を破壊してはならないとした。ウクライナ問題では、米国は一方的制裁やロングアーム管轄の乱用をやめるべきとした。

中国外交部によると、ブリンケン国務長官は米国は前向きに両国関係の安定に努め、「一つの中国」政策を堅持しているとした。その上で、中国との意思疎通を続け、麻薬禁止や人工知能(AI)などでの協力を期待するとした。

その他、パレスチナ自治区のガザ情勢や朝鮮半島情勢、ミャンマー問題などについても、意見を交わした。

現地メディアは会談結果について、(1)今後半年の両国関係は比較的安定し、コントロール可能な状態にある、(2)ウクライナ問題、台湾問題、南海問題について両国の立場は異なるが、コントロール可能で、対立は拡大しない、(3)台湾問題、南海問題という中国の核心的利益について、中国の立場は強硬なものになったという3点を挙げた(「直新聞」7月29日)。

(注)ブリンケン国務長官は前回4月24~26日に訪中している(2024年4月30日記事2024年5月1日記事参照)。

(河野円洋)

(中国、米国、ウクライナ、台湾、フィリピン)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください