欧州中央銀行、政策金利0.25ポイント追加引き下げを決定(EU、ユーロ圏)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月13日 15時10分
欧州中央銀行(ECB)は9月12日、フランクフルトで開催した政策理事会で、政策金利を0.25ポイント引き下げることを決定した(プレスリリース)。ECBは6月会合で4年9カ月ぶりとなる金利の引き下げを決定したが(2024年6月7日記事参照)、7月会合では利下げを見送っていた(2024年7月19日記事参照)。今回は、今後のインフレの見通し、現時点でのインフレの動向、ならびに金融政策の効果についての最新の評価に基づいて、金融政策の引き締め度合いをさらに一段階緩和することが適切だと判断したかたちだ。
その結果、預金ファシリティー金利は現在の3.75%から3.50%に引き下げられ、政策金利(主要リファイナンス・オペ金利)および限界貸出ファシリティー金利(オーバーナイト貸し出し、翌日返済)はそれぞれ3.65%および3.90%に引き下げられる。この金利引き下げは2024年9月18日から適用される。
ユーロ圏のインフレ率はなおも高水準で推移しており、賃金は依然として上昇し続けている。しかし、企業の利益が労働コストの圧力を部分的に吸収しており、賃金上昇がインフレに与える影響を緩和しつつある。一方、金融環境は厳しく、脆弱(ぜいじゃく)な個人消費と投資活動を反映して景気は依然として低迷しており、ECBのエコノミストは2024年のユーロ圏の経済成長率を0.8%、2025年を1.3%、2026年を1.5%と予測、これは6月の前回予想からそれぞれ0.1ポイントの下方修正となる。インフレ圧力の低下と景気低迷を受けた格好となった。
ECBのクリスティーヌ・ラガルド総裁は記者会見で、「インフレ率を中期目標である2%に迅速に戻すことを確実にする決意だ」と述べ、その目標達成に向けて必要な限りは政策金利を十分に制限的な水準に維持するとした。
次回の金融政策に関する理事会は10月17日を予定している。
(マリナ・プタキドウ、櫻澤健吾)
(EU、ユーロ圏)
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