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中国国営の海運大手が出資するチャンカイ港、11月14日開港へ(ペルー、中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月3日 13時30分

中国国営の海運大手、中国遠洋海運集団(COSCO)が60%出資するチャンカイ港について、港湾運営関係者は9月30日、ペルー議会の特別委員会で、開港日を11月14日としていることを明らかにした。開港日は、ペルーの首都リマで行われるAPEC閣僚会議・首脳会議 の開催期間(11月第3週)に当たる。また、工事の進捗として、93%完了していると述べた。

議会の多目的ターミナル計画特別委員会に参考人として参加した、港湾運営会社コスコ・シッピング・ポーツ・チャンカイ・ペルーのジェイソン・ギジェン安全・保護・環境部長は、工事終了後、国家港湾局(APN)の検査を受け港湾としての承認を得ると説明した。初回の承認期間は2024年11月から2025年5月までを想定。ペルー国内で初めて導入されるガントリークレーンなどの遠隔自動操作システムの稼働状況の確認や、植物防疫局(SENASA)、森林野生動物局(SERFOR)、医薬医療機器総局(DIGEMID)、環境衛生総局(DIGESA)、移民局、国家警察など関係当局との連携について調整を図るとしている。

現在進められている工事は、全4フェーズのうち、第1フェーズに当たる(2024年8月20日付け地域・分析レポート参照)。遠隔自動操作システムの稼働に際し、中国の通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)とメキシコ系通信会社クラロが5G(第5世代移動通信システム)回線を導入する基地局を設置している。

経済財務省(MEF)によると、チャンカイ港第1フェーズの段階でコンテナ貨物取扱量は150万TEU(20フィートコンテナ換算)となり、首都リマとチャンカイの間にある国内最大のカジャオ港と合わせると540万TEUで、パナマのコロン港、ブラジルのサントス港を上回る規模になる見込みという。

しかし、チャンカイ港の利用にあたっては課題もある。チャンカイ港の使用料はまだ公表されていない。ジェトロが10月2日、同社のカテリン・キロス商業アシスタントにヒアリングしたところ、料金の公表は10月7日の週に予定しているが、個別に相談があった場合には仮の使用料を提示し事前交渉というかたちで対応しているという。

チャンカイ港のプロジェクトは、カジャオ港の船舶の渋滞と港湾周辺の交通渋滞の深刻化などを背景に、新たなハブ港としてCOSCOとペルーの鉱山会社ボルカン(40%出資)の民間事業として始まった。ただ、リマからカジャオ、チャンカイを結ぶ交通インフラ整備には時間がかかりそうだ。カジャオ港から近いリマ空港の拡張に伴う新ターミナル利用開始(2024年9月18日記事参照)が交通渋滞に追い打ちをかける可能性もある。

写真 チャンカイ港に設置されたガントリークレーン(ジェトロ撮影)

チャンカイ港に設置されたガントリークレーン(ジェトロ撮影)

写真 ファーウェイとクラロによる5G回線の基地局(ジェトロ撮影)

ファーウェイとクラロによる5G回線の基地局(ジェトロ撮影)

写真 ふ頭近くの住宅街(ジェトロ撮影)

ふ頭近くの住宅街(ジェトロ撮影)

(石田達也)

(ペルー、中国)

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