第3四半期のGDP成長率は前期比0.1%、内需回復も輸出は不振(韓国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月29日 13時15分
韓国銀行(中央銀行)は10月24日、2024年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率(速報値)が前期比0.1%だったと発表した。前期のマイナス成長からは脱却したものの(2024年8月1日記事参照)、輸出は前期比マイナス0.4%、民間消費も0.5%にとどまった。韓国の各報道機関は、韓国銀行が発表している2024年の実質GDP成長率を2.4%とする経済見通しを見直す必要があると報じている(「文化日報」10月24日、社説など)。
2024年第3四半期の支出項目別実質GDP成長率(前期比)は次のとおり(添付資料表1参照、前年同期比の支出項目別実質GDP成長率は添付資料表2参照)。
民間消費:乗用車、通信機器などの財貨や、医療、運輸などのサービス消費が小幅に増加し、0.5%。
政府消費:社会保障制度による現物給付を中心に0.6%。
建設投資:建築、土木が減少し、マイナス2.8%。
設備投資:半導体製造装置などの機械類や、航空機などの輸送機械が増加し、6.9%。
輸出入:輸出は自動車、化学製品などを中心に、マイナス0.4%だが、輸入は機械装置などを中心に、1.5%。
業種別にみると、農林漁業は畜産業などを中心に3.4%、製造業は輸送機械、機械類、製造装置などを中心に0.2%、電気・ガス・水道事業は5.1%だった。建設業は建築を中心にマイナス0.7%、サービス業は卸・小売業と宿泊飲食業などが減少したが、医療保健業、社会福祉サービス、運送業などが増加し、0.2%だった。
韓国銀行は第3四半期の経済成長率について「内需は回復傾向にあるが、輸出の伸びが予想より悪かったため、全体の成長率は前期比で微増となった。純輸出は情報技術分野の成長鈍化によって減少に転じ、マイナスの寄与が拡大した」との見解を述べた。また、同行は2024年と翌2025年の経済成長率の不確実性の高まりに伴い、内需の回復速度や、主要国の景気、諸外国・地域との貿易条件の変化などを多角的に検討し、11月にあらためて年間の経済展望を発表する予定だとした。
(益森有祐実)
(韓国)
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