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深セン巴士集団が自動運転路線バスの運行開始(中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月6日 0時35分

路線バスなどの運行を手掛ける深セン巴士集団は8月26日、中国の広東省深セン市前海エリアで電動自動運転路線バス「B998」系統の運行を開始した。深セン巴士集団は2024年内にさらに3本の路線を追加し、計4路線20両の電動自動運転バスの運用を予定している。

「B998」は、5つのバス停を結ぶ全長約4.5キロのルートを所要時間約30分で運行している。使用されているのは、中国のバスメーカーの厦門金龍旅行車(金旅客車)とシンガポール科学技術研究庁が自動運転用に共同開発した車両。中国の人工知能(AI)開発大手センスタイム(商湯科技)の自動運転システム「絶影」を搭載している。センスタイムによると、車体に搭載されたカメラおよびミリ波レーダー、レーザーライダーが搭載されているという。加えて、道路側からの情報を取得することで車載装置の死角を補い、より安全で信頼のできる自動運転システムを構築しており、特定の応用シーンでは車両の操作に人が介入する必要がないという。ただし、実際の運航にあたっては、市のコネクテッドカー管理条例の要求に基づき、安全監視員を1人運転席に配置している(2022年7月15日記事参照)。

写真 車両は乗客用の座席が9席のミニバスタイプを採用(ジェトロ撮影)

車両は乗客用の座席が9席のミニバスタイプを採用(ジェトロ撮影)

ジェトロ職員が乗車した際は、ルート上に一定の車両交通量があったほか、歩行者、自転車なども行き来していた。道路上で立ち往生するような場面が1度あったが、その際は安全監視員が手動運転に切り替え、介入した。そのほか、車線変更がスムーズさに欠ける、巡航速度が他の車両と比べて若干低いなどの状況が見られたものの、15分ほどの乗車時間のうち介入はこの1回のみだった。

写真 介入が必要になった場合に備え安全監視員が待機する(ジェトロ撮影)

介入が必要になった場合に備え安全監視員が待機する(ジェトロ撮影)

写真 信号のない横断歩道の手前で歩行者を検知して一時停止している様子。モニター上からもシステムが歩行者を認識していることが確認できる(ジェトロ撮影)

信号のない横断歩道の手前で歩行者を検知して一時停止している様子。モニター上からもシステムが歩行者を認識していることが確認できる(ジェトロ撮影)

乗車には、WeChatの深セン巴士集団公式ミニプログラムによる事前予約が必要となる。また、予約時に中国の身分証番号が求められるため、身分証番号を保有しない外国籍者などは乗車できない。試行期間中は無料で乗車が可能だ。

深セン市は、前述のコネクテッドカー管理条例を全国に先んじて制定するなど、自動運転に関するルール整備を進め産業の育成を図っている(2023年12月12日記事参照)。深セン市内で自動運転車両の公道テストを認可された企業は2024年5月時点で累計19社にのぼり、テストが認可された公道区間の総延長は944キロに達した(「Shenzen Daily」8月7日)。

(小野好樹)

(中国)

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