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インド中銀、9会合連続で政策金利を6.50%に据え置き(インド)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月14日 11時15分

添付資料PDFファイル(99 KB)

インド準備銀行(RBI、中央銀行)は8月6~8日に金融政策決定会合(MPC)を開催し、8日に政策金利(レポレート)を6.50%に据え置くことを委員6人中4人の多数決で決定した。シャクティカンタ・ダス総裁を含む4委員は、今後も経済成長を支えつつインフレが目標値に収まることを確実にするため、金融緩和の縮小に引き続き注力するスタンスを示した。残る2委員は中立へのスタンス変更と、0.25ポイントの政策金利引き下げを提言した。政策金利は2022年5月から6会合連続で引き上げられたが、2023年4月以降は9会合連続で据え置きとなった(添付資料図参照)。

インド統計・計画実施省(MoSPI)によると、消費者物価指数(CPI)上昇率(インフレ率)は2023年12月に前年同月比5.69%まで上昇して以降、低下傾向にあり、直近の6月は5.08%と、RBIの中期目標の範囲内(4%±2%)に収まっている。ただし、内訳をみると、インド北部を襲った熱波や洪水などの影響で、消費者物価の半分近くを占める食品インフレ率(注)は依然として9.36%と高水準にある(2024年7月22日記事参照)。

RBIは、2024年のモンスーンによる降雨が順調なことや、世界的な食糧価格が安定してきていることは、物価上昇圧力を抑制するプラス要因だが、地政学上の緊張の高まりに伴う商品価格の変動リスクなども、今後の見通しに影響する可能性があると表明した。今後のモンスーンが平年並みならば、2024年度(2024年4月~2025年3月)のインフレ率を4.5%と予測している。

今後の国内経済について、種まきが順調なことが農業や農村部の需要を下支えし、製造業とサービス業に持続的な勢いがあることから、都市部の需要と消費は堅調に推移し、成長が維持されると予想している。また、鉄鋼需要の拡大、企業や銀行のバランスシートが健全なこと、政府の活発なインフラ投資などにより堅調さが見通せると指摘。2024年度の実質GDP成長率は前年度比7.2%となると予測している。

現地報道では、「RBIはインフレを目標値内に抑えることに注力しており、今回の金利据え置きの決定は予想どおりだ。他方、(景気を左右する)モンスーンによる十分な降雨量が予想されることから、年後半にかけては、利下げに向けた環境が整う可能性がある」という専門家の声も紹介している(「インディアン・エクスプレス」紙8月8日)。

(注)ここでは、CFPI(消費者食品物価指数)のインフレ率を記載。

(篠田正大)

(インド)

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