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スリランカの日本酒類市場の可能性、現地輸入卸業者に聞く(スリランカ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月15日 0時10分

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スリランカは、南西アジアの中では仏教国ということもあり、飲酒に対する抵抗が比較的少なく、日本酒市場の拡大が見込まれる(2016年11月28日記事参照)。現地で酒の輸入卸事業を展開するシンセイ・ランカ・ジャパン(Shinsei Lanka Japan)ディレクターの渡辺玉緒氏に、現地市場の可能性と課題を聞いた(インタビュー日:7月26日)。

写真 シンセイ・ランカ・ジャパンの渡辺玉緒氏(ジェトロ撮影)

シンセイ・ランカ・ジャパンの渡辺玉緒氏(ジェトロ撮影)

同社は現在、日本酒やウイスキー、焼酎や梅酒など120銘柄を日本から輸入している。主な顧客は富裕層や観光客が訪れるホテルや日本食レストランだ。

渡辺氏はスリランカ市場の魅力について「人口は約2,200万人で、小規模事業者が海外事業を始めるにはちょうどいい規模だ。近隣国のモルディブも含め、市場の開拓余地が大きい」と語る。

課題もある。日本酒(HSコード:2206.00.99)の輸入時には、関税が1リットル当たり440スリランカ・ルピー(約220円、1スリランカ・ルピー=約0.5円)、付加価値税(VAT)が18%、社会保障負担賦課金(SSCL)が2.5%かかるほか、ワインやビールには適用されない輸入税(CESS)が50%かかる(注)。そのほか、2022年春の経済危機以降、スリランカ・ルピーの為替レートが下落し、輸入コストが増えた。また、新たな銘柄を輸入する場合には物品税局(Excise Department)への登録が必要で、手間や時間がかかるのも事実だ。酒類の大々的な広告宣伝ができないことも、売り手にとっては問題だという。

渡辺氏は今後の事業展開について「品質の高い日本産の酒類をスリランカに広めるべく、地道なプロモーションを通じて販路を構築していく。スリランカの紅茶と組み合わせた日本酒カクテルや、糖尿病が広がる当地で糖質のない焼酎を提案したい。日本で輸出に取り組む酒蔵との協力も歓迎する。スリランカに輸送するコンテナには余裕もあり、酒類以外の輸入も検討している」と話した。

写真 同社がスリランカで展開する焼酎(ジェトロ撮影)

同社がスリランカで展開する焼酎(ジェトロ撮影)

(注)例えば、4合瓶の日本酒(720ミリリットル)のCIF価格を5,000スリランカ・ルピーとした場合にかかる税は、添付資料表のとおりになる。計算式の詳細はスリランカの関税制度を参照。実際の輸入時の税率は税関に確認してほしい。

(大井裕貴)

(スリランカ)

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