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2023年第4四半期のGDP成長率は前期比0.6%と堅調、通年では2.5%(スペイン)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月9日 1時20分

添付資料PDFファイル(146 KB)

スペイン国家統計局(INE)は3月26日、2023年第4四半期(10~12月)の実質GDP成長率(確報値)を前期比0.6%、また2023年の年間GDP成長率を前年比2.5%と発表した(添付資料表参照)。

第4四半期のGDP成長率を需要項目別にみると、家計消費が減速するなどして民間最終消費支出は前期比0.2%増、政府最終消費支出は1.0%増と縮小した。また、財輸出の回復(3.6%増)や、年末の商機に向けた在庫積み増しが寄与し、GDP成長率は前期比0.6%と、前期から0.2ポイント押し上げた。EU平均(0.0%)を上回った。一方、国内総固定資本形成は1.6%減だった。インフレや金利上昇の中、設備投資(4.7%減)と建設投資(0.3%減)が弱含んでいる。

これを受けた2023年のGDP成長率は前年比2.5%となり、政府予測(2023年10月)の2.4%を0.1ポイント上回った。カルロス・クエルポ経済・商業・企業相は同26日、「スペイン経済はEU主要国の中で最も成長率が高く、順調に推移している」と述べた。第4四半期の予想外の好調を受け、スペイン中央銀行と国内主要シンクタンクは2024年3月に2024年の成長見通しを若干、上方修正し、2%程度の成長と予測した。

設備・建設投資の低迷続く

その一方で、成長の原動力である総固定資本形成の弱さが指摘されている。スペイン中銀は、2024年3月12日発表のマクロ経済予測で、2023年は純輸出と政府消費支出が成長を支えたと分析し、2024年に入ってからも家計消費の減速と投資の低迷が続けば、成長の勢いは失われていくと指摘。金利・インフレやエネルギー価格の低下、復興基金の執行本格化といった好要因によりプラス成長は維持されるものの、投資が新型コロナ禍前の水準に回復するにはまだ時間を要するとした。

貯蓄銀行協会系シンクタンクFUNCASも2024年1月18日発表のレポートで、「スペインは復興基金の支援受け取り額がEU加盟国中2位で、企業の債務水準も欧州平均より低く、資金調達余地が比較的大きいにもかかわらず、設備投資の回復が大幅に遅れている」と指摘。その一因として、スペイン企業が余剰金を新規投資よりも債務削減に充てていることを挙げ、「設備投資の低迷は懸念材料であり、復興基金による経済的効果を実現するうえで大きな課題」とした。

(伊藤裕規子)

(スペイン)

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