討論会が候補者選定の貴重な情報提供と6割強が回答、米大統領選世論調査(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月22日 15時15分
米国で11月の大統領選挙の候補として有力とみられる民主党のジョー・バイデン大統領と、共和党のドナルド・トランプ前大統領は、6月と9月にテレビ局主催の討論会に参加することで合意した(2024年5月16日記事参照)。討論会について、有権者の63%が大統領選の投票に向けて貴重な情報が得られると評価していることが最近の世論調査からわかった。
ハーバード大学米国政治研究センターとハリス・インサイト・アンド・アナリティクスは5月20日、米国大統領選などに関する世論調査結果(注1)を発表した。それによると、「討論会で大統領選挙の候補者選定のため貴重な情報が得られる」と63%が回答した。
また、討論会にバイデン氏、トランプ氏以外の第三政党などの候補者も参加すべきかという問いに対しては、71%が「参加すべき」と回答した。支持政党別でみると、無党派層が78%と最も高く、共和党支持者(70%)、民主党支持者(66%)が続いた。
大統領討論委員会(CPD)が主催してきた伝統的な討論会(大統領候補討論会3回、副大統領候補討論会1回)には、バイデン氏、トランプ氏とも参加しない意向を示しているが、CPDの主催する討論会の実施を支持する割合は73%と7割を超えた。
「ニューヨーク・タイムズ」紙とシエナ大学が4~5月に激戦州6州(スイングステート)で実施した世論調査(注2)では、大統領選の本選でどちらに投票するかという質問では、トランプ氏の支持率がバイデン氏を6州のうち5州で上回り、ネバダ州、ジョージア州でそれぞれ12ポイント、10ポイント上回る結果だった。経済状況やパレスチナ自治区ガザ地区の情勢の影響で、バイデン氏への若年層や非白人層の支持低下が指摘された。
また、4月のバイデン氏への献金額は3月の9,000万ドルから低下し5,100万ドルと、初めてトランプ氏(7,600万ドル)を下回った(ロイター5月21日)。
討論会は、自身のパブリックイメージを再構築するのに役立つ可能性を秘めているが、投票日のかなり前に効果が表れても、一時的なものに終わるという可能性の指摘もある(「ウォールストリート・ジャーナル」紙電子版5月19日)。討論会での両者の発言が注目される。
(注1)実施時期は5月15~16日、対象者は全米の登録有権者1,660人。
(注2)実施時期は4月28日~5月9日、対象者は激戦6州(アリゾナ、ジョージア、ミシガン、ネバダ、ペンシルベニア、ウィスコンシン)の登録有権者4,097人。
(松岡智恵子)
(米国)
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