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オープンイノベーション強化に向け、セミナーとピッチを実施(シンガポール)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月9日 0時25分

ジェトロと経済産業省は7月19日、オープンイノベーションを促進するための連携枠組みである「日本・シンガポール共創プラットフォーム(JSCCP、注1)」の第2回セミナーおよび「日シンガポール・ファストトラック・ピッチ2024」を、シンガポールで開催した。

セミナーでは、「多国籍企業の先進事例から考える、日系企業イノベーション創出の鍵」をテーマとし、外資系企業2社がオープンイノベーション事例を紹介した。

フランスの電子機器メーカーであるシュナイダー・エレクトリックのサステナビリティ事業部門シニアマネージャーであるアレクサンドル・ポパ氏は、「イノベーションは自社にとっても顧客にとっても非常に重要で、利益の5%(10億~20億ユーロ)を毎年イノベーションに投資している」と述べた。同社はシンガポールにインキュベーション施設を設置し、60以上のスタートアップとの協業や出資を行っている。その上で、シンガポールでの協業を成功させるポイントは、スタートアップへの投資に関する正しい知識を持つこと、明確なKPI(重要業績評価指標)を設定して規模拡大のための先行投資を一貫して行えるようにすることだと指摘した。

また、ドイツの産業機器メーカーであるボッシュ・レックスロスの東アジア・オセアニア地域代表取締役社長兼CE0(最高経営責任者)ミシェル・グナワン氏は、同社が工場での自動化を含む先進製造(アドバンスド・マニュファクチャリング)に重きを置いていると述べ、その利点として、手作業で起こりうる事故の減少、膨大なデータの連結・活用のしやすさ、顧客やサプライヤーなどとの協業のしやすさを挙げた。同社は、シンガポールの3拠点のうち1カ所にトレーニングセンター機能を置き、アドバンスド・マニュファクチャリングのための技術者を養成するコースを提供している。また、スキルズフューチャー・シンガポール(SSG、注2)や大学などの学術機関と連携し、技術者の養成に加え、事業実施前の概念実証(PoC)にも取り組んでいる。

日シンガポール・ファストトラック・ピッチ2024、ファイナリスト13社が提案

日シンガポール・ファストトラック・ピッチ2024(2024年5月13日記事参照)のファイナリスト・ピッチも同日開催された。チャレンジオーナー5社が4~6月に募集した課題に対して、応募の中から選ばれたファイナリスト13社が解決策を提案した。ファイナリストの中から、チャレンジオーナー各社が選んだアワード受賞者は次のとおり。

Breathless Studios(シンガポール):AI(人工知能)画像解析によるガラス分別(AGC選出)
Emulsion Flow Technologies(日本):リチウムイオン電池からレアアースを回収、リサイクルする技術を開発(Arkema選出)
AC Biode(日本):環境に配慮した効率的なケミカルリサイクル用触媒を開発(ASL Marine Holdings選出)
Rainforest(シンガポール):マタニティ・子供用品に樹脂素材を応用(三井化学選出)
Accredify(シンガポール):ブロックチェーンによる、検証可能なクレデンシャルを使用して、さまざまな場面に対応する認証ソリューションを提供(NTT DOCOMO ASIA選出)

写真 ファストトラック・ピッチの様子(ジェトロ撮影)

ファストトラック・ピッチの様子(ジェトロ撮影)

(注1)JSCCPの詳細は、ジェトロ・トピックス(2024年6月記事)参照。

(注2)シンガポール経済のさらなる発展のため、同国の全国民を対象に生涯教育促進事業を行う教育省傘下の機関。

(糸川更恵)

(シンガポール)

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