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日米政府、第2回サプライチェーン上の人権タスクフォース開催、水産品に焦点(米国、日本)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月19日 13時0分

米国通商代表部(USTR)は12月18日、日米両国による「サプライチェーンにおける人権および国際労働基準の促進に関するタスクフォース」の第2回会合を開催したと発表した。日本の経済産業省も12月19日に発表した。政府間対話は10月7日に、産業界や労働組合、市民社会団体などのステークホルダー対話は12月17日に、それぞれオンラインで行われた(日付は米国時間)。

日米両政府は2023年1月にタスクフォース立ち上げに関する協力覚書に署名し、両国のサプライチェーン上の人権尊重や労働者の権利保護に関連する法令や政策、ガイダンス、執行実務の情報共有などを行う政府間対話と、両国の通商政策と規制が労働者と企業に与える影響に関する意見聴取などを行うステークホルダー対話の設置に合意した。第1回会合は2024年2月に行われていた(2024年2月16日記事参照)。タスクフォースに基づく会合は原則として年2回開催することになっている。

USTRの発表によると、政府間対話には、米国側からはUSTR、国務省、労働省、税関・国境警備局(CBP)、海洋大気庁、日本側からは経済産業省、農林水産省、厚生労働省が参加した。第2回会合では水産品のサプライチェーンが取り上げられ、関連する法律、政策、指針、イニシアチブに関する情報交換が行われた。具体的には次のとおり。

ウイグル強制労働防止法(UFLPA)の優先執行対象分野への水産品の指定(2024年7月11日記事参照
合法で安全な労働条件を促進するため、「水産物の適法な海上条件のための協調的アクセラレーター」などのイニシアチブ
地域漁業管理機関(RFMO)での労働問題対処のための議論進展
違法・無報告・無規制(IUU)漁業と闘うための「海洋SAFE法」などの法律
連邦政府の請負業者や企業によるサプライチェーン上の強制労働の特定、防止、対処、リスク管理システムの構築を支援する「責任ある調達ツール」などの政府リソース
米国の商取引にIUU漁業で獲られた、あるいは不当表示された水産品の流入を防ぐため、特定の輸入に対して報告と記録保存要件を確立する「米国水産品輸入モニタリングプログラム」などのイニシアチブ

ステークホルダー対話では、両国の水産品の生産者と小売業者が水産品に特化した取り組みを含むサプライチェーン上の労働基準改善に向けた政府の取り組みについて説明を受けた。また、民間部門と政府が協力して解決策に取り組むためのアイデアが共有された。

トランプ次期政権下では、国務長官に指名されたマルコ・ルビオ上院議員(共和党、フロリダ州)がUFLPAの成立を上院で主導するなど、新疆ウイグル自治区での強制労働に反対していることで知られている(2024年11月14日記事参照)。ただし、同タスクフォース含め、バイデン政権で設置された各種枠組みがトランプ次期政権下でも継続されるかについては、まだ不明な点が多い。

(赤平大寿)

(米国、日本)

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