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中国がEUの外国補助金規則への貿易投資障壁調査を開始(中国、EU)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月12日 16時10分

中国商務部は7月10日、EUの「外国補助金規則」(2023年7月13日記事参照)に基づく中国企業への調査方法に対して、「中国対外貿易法」と「対外貿易障壁調査規則」に基づき、貿易投資障壁調査を行うと発表した(商務部公告2024年第28号)。

調査は中国機電産品輸出入商会の申請による。申請があった分野は鉄道車両、太陽光発電、風力発電、セキュリティー機器で、2025年1月10日までに終了し、同年4月10日まで延長可能だ。対外貿易障壁調査規則では、「貿易障壁」と認定した場合、中国は(1)2者協議の実施、(2)マルチの紛争解決メカニズムの開始、(3)その他適当な措置を取るとされている。

申請では、6月時点で外国補助金規則により3件の詳細調査、1件の職権調査、1件の立ち入り調査が行われ、数十件の中国企業の投資・M&Aが調査の影響を受けた可能性があるとしている。

調査を受けた具体的案件として、(1)中車青島四方機車車両のブルガリアでの鉄道車両入札プロジェクトへの調査、(2)隆基緑能科技、上海電気集団によるルーマニアでの太陽光発電入札プロジェクトへの調査、(3)金風科技、遠景能源科技などスペイン、ギリシャ、フランス、ルーマニア、ブルガリアの風力発電サプライヤーへの調査、(4)セキュリティー関連企業の同方威視への立ち入り調査を挙げている。(1)、(2)はいずれも調査対象企業が入札から撤退している。

申請では、これらの調査について、中国での税還付を補助金に認定するなど「外国補助金」の範囲が広く、曖昧な点や資料提出までの時間が短すぎる場合があること、調査に協力しないといった理由で高額な罰金が科されることなどを問題とした。

中国ではこれまで、2004年に日本の海苔(のり)輸入管理措置(注)、2011年に米国の再生可能エネルギー支援政策と補助金措置、2023年に台湾の農産品や化学工業製品、繊維製品などの輸入禁止措置(2023年4月13日記事参照)といった件について、調査を行っている。

(注)「対外貿易障壁調査規則」の前身の「対外貿易障壁調査暫定規則」に基づく。

(河野円洋)

(中国、EU)

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