古都で世界遺産のルアンパバーンへの外国人観光客が大幅増加(ラオス)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年2月5日 0時25分
ラオス北部の古都で旧市街が世界遺産に登録されるルアンパバーン県で、2024年の外国人観光客が155万人(注)(前年比2.02倍)と大きく増加した。この水準は新型コロナ禍前の2019年の86万人を大幅に上回った。国籍別では中国が45万9,297人(2019年比5.07倍)、タイが17万5,575人(同2.25倍)、韓国が15万1,189人(同3.92倍)、米国が11万3,164人(同98%増)、フランスが9万499人(同2.69倍)、日本が8万885人(同4.19倍)、ドイツが5万9,607人(同83%増)、カナダが5万1,325人(同98%増)だった。とりわけ、中国人と韓国人で増加率の伸びが著しい。
同県の情報文化観光局は、2025年の目標値は外国人観光客を178万4,105人としている。また、2029年までに600万人の外国人観光客を受け入れる計画を打ち出している。
ルアンパバーン旧市街は建築物が文化的に重要で保存に値することから、1995年にユネスコの世界文化遺産に登録された。それ以来、旅行雑誌などで高い評価を得ており、直近では英国の観光ガイドブック「ロンリープラネット」が選ぶ「2025年にアジアで行くべき場所22選」で1位に選ばれている。現在、ルアンパバーン国際空港からバンコク(タイ)、チェンマイ(タイ)、シェムリアップ(カンボジア)、ハノイ(ベトナム)、海南(中国)、深セン(中国)、西安(中国)への国際直行便が就航している。また、中国ラオス鉄道(2024年12月6日記事参照)を利用した訪問も人気が高い。
一方、世界遺産委員会は、特に個人が所有する歴史的建造物の劣化が進行していることや、メコン川上流で建設中のルアンパバーン水力発電所建設プロジェクトおよび計画されている大規模観光開発案による影響を評価し、適切に対応するように勧告している。
ルアンパバーンのワット・シェントーン本堂(ジェトロ撮影)
(注)2025年1月14日付の現地報道「ビエンチャンタイムス」による速報値。
(山田健一郎)
(ラオス)
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