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販売予約で中国が日本を上回る、タイのモーター・エキスポ2024(タイ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月17日 0時35分

添付資料PDFファイル(136 KB)

タイ最大級の自動車イベント「モーター・エキスポ2024」が11月28日から12月10日まで開催された。13日間の会期中、自動車5万4,513台、自動二輪7,892台の販売予約が成約した。販売台数上位10ブランドのうち6ブランドを占める中国系の台頭が目立った。

BYDが首位トヨタを追う、新型PHVも市場投入へ

41回目の開催となる同エキスポでは、その場で自動車の購入予約が可能で、主催者の公式発表によると142万6,044人が来場した。タイの自動車販売台数は、家計債務上昇に伴う自動車ローンの審査厳格化などにより、2024年1~10月に前年同期比26.2%減の約47万6,350台と冷え込んでいる(2024年12月3日記事参照)。そうした中でも、今回のエキスポは前年(自動車:5万3,248台、自動二輪:7,665台)と比べて販売予約が増えた。ただ、販売予約が実際の販売に至るかについては、ローン厳格化の影響が懸念されている(ネイション・タイランド紙12月11日)。

エキスポで販売予約が多かった上位10ブランドは、トヨタ(8,297台)、BYD(6,917台)、ホンダ(5,081台)、AION(3,668台、広州汽車グループ)、MG(3,311台、上海汽車グループ)、DEEPAL(2,756台、長安汽車)、三菱自動車(2,609台)、日産(2,219台)、GWM(2,060台、長城汽車)、NETA(2,016台、合衆汽車グループ)の順となった(添付資料表参照)。多くのブランドが前年より販売を落とす中、トヨタとBYD、三菱自動車は前年を大きく上回った(2023年12月13日記事参照)。企業グループの資本別でみると、中国系メーカーの販売予約台数は計2万6,021台に達し、日系(2万2,768台)を上回った。

自動車の平均販売価格は125万9,928バーツ(約567万円、1バーツ=約4.5円)で、成約金額は合計で約550億バーツに上る。中国系の自動車価格は平均を下回るものが多く、たとえばセダンでは、BYDの「ATTO3」は104万9,900バーツ、「DOLPHIN」は70万9,000バーツ、NETAの「V-II SMART」は56万9,000バーツがエキスポの表示価格となっていた。

成約した自動車のうち、58.7%がガソリン車・プラグインハイブリッド車(PHV)・ハイブリッド車(HV)だった一方、残る41.3%はバッテリー電気自動車(BEV)が占めた。BEVの最多販売ブランドとしては、BYDグループとAION、GEELY(吉利)グループで全て中国系が独占した。今回のエキスポでは、BYDはPHV「SHARK6」、吉利がEVピックアップトラックブランド「RIDDARA」の「RD6」を初披露し、参加者の注目を集めた。なお、車両タイプ別では、スポーツ用多目的車(SUV)の予約販売が60.9%と最も多く、セダン(14.2%)が続いた。

写真 BYD「SHARK6」(ジェトロ撮影)

BYD「SHARK6」(ジェトロ撮影)

写真 吉利「RIDDARA RD6」(ジェトロ撮影)

吉利「RIDDARA RD6」(ジェトロ撮影)

写真 予約台数首位を堅持したトヨタのブース(ジェトロ撮影)

予約台数首位を堅持したトヨタのブース(ジェトロ撮影)

(藪恭兵)

(タイ)

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