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米商務省、半導体の先進パッケージング研究プロジェクトに最大3億ドルの助成を発表(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月25日 1時0分

米国商務省は11月21日、CHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)に基づき、半導体の先進パッケージング研究プロジェクトに最大3億ドルを助成すると発表した。助成対象は、韓国の化学素材大手SKC関連会社アブソリックス、半導体製造装置メーカーのアプライドマテリアルズ、アリゾナ州立大学(ASU)で、詳細は今後、商務省との交渉で決定される。商務省は2024年2月に、国家先端パッケージング製造プログラム(NAPMP)の下、先端パッケージ基盤および基板材料の国内生産能力を確立・加速させる研究開発に3億ドルを助成すると発表していた(2024年3月1日記事参照)。

商務省の発表によると、助成額はそれぞれ1億ドルで、これに民間の追加投資が加わることで、3つのプロジェクトの投資総額は4億7,000万ドルを超える見込みだ。助成対象となる研究プロジェクトの概要は次のとおり。

〇アブソリックス(ジョージア州、注1):ガラス素材および基板分野で、学術機関、大企業、中小企業、非営利団体など30以上のパートナーと提携し、最先端の技術開発を行う。基板・素材先進研究技術(SMART)パッケージングプログラムを通じ、ガラスコア・パッケージングのエコシステム構築を目指す。

〇アプライドマテリアルズ(カリフォルニア州):10の協力企業などと、次世代の先進パッケージングと3D異種統合(注2)のためのシリコンコア基板技術の開発と規模拡大を行う。同社のシリコンコア基板技術は、米国の先進パッケージングでのリーダーシップをさらに強化し、次世代のエネルギー効率に優れた人工知能(AI)および高性能コンピューティング(HPC)のエコシステム形成に良い相互作用をもたらす可能性がある。

〇ASU(アリゾナ州):ファン・アウト・ウエハー・レベル・パッケージング(FOWLP)による次世代マイクロエレクトロニクスのパッケージ開発を行う。この取り組みの中核となるのがASUの先進電子・光通信コア施設で、現在米国で実現していない300ミリメートル(mm)ウエハーレベルと600mmパネルレベルでの商業化の可能性を切り開こうとしている。

商務省は、消費電力の増加、AIデータセンターでの演算性能向上、モバイル電子機器の拡張性といった問題は、現在のパッケージング技術では解決できず、米国でこれら産業を将来も持続していくためには、全てのレベルでイノベーションが必要だとしている。そのため、CHIPSプラス法に基づくNAPMP(2023年11月21日記事参照)では、これら課題を解決できる基盤技術の目標を設定し、助成が予定される3つの事業体は、その基準を満たすか上回る水準にあるという。

商務省のジーナ・レモンド長官は、今回の助成を通じ「明日のイノベーションを推進するマイクロエレクトロニクスの設計、製造、パッケージングにおける米国のグローバルリーダーとしての地位を確立する」と、その意義を強調した。

(注1)アブソリックスは、CHIPSプラス法に基づき、半導体先端パッケージングに使用される基板の技術開発を行う施設建設にも助成が予定されている(2024年5月27日記事参照)。

(注2)シリコンとノンシリコン素子、CPUとDRAMなど、異種材料や異種部品を統合してパッケージングする技術。

(赤平大寿)

(米国)

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