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大型投資奨励制度(RIGI)に既に3プロジェクトが申請済み(アルゼンチン)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月12日 0時30分

アルゼンチンのルイス・カプート経済相は10月30日、ハビエル・ミレイ政権が導入した新たな投資促進のための恩典「大型投資奨励制度(RIGI)」について、同日までに3件の申請を受け付けたことを明らかにした。

大型投資奨励制度は、7月8日に公布された「アルゼンチン人の自由のための基盤および出発点に関する法律」(通称:オムニバス法、または基盤法)により導入されたもので(2024年6月17日記事参照)、最低2億ドルの投資を条件に、資本取引規制の例外的な優遇措置を受けることができる。同法公布後、施行規則や詳細な手続きを定めた決議が公布され、政府は10月22日に申請の受け付けを開始した。

カプート経済相は企業名を明らかにしなかったが、アルゼンチンの国有石油会社YPFの関係会社で、発電事業を手掛けるYPF Luz、北部カタマルカ州でリチウム開発を手掛けるオーストラリアのガラン・リチウムは、RIGIの適用を申請したと発表した。11月10日付現地紙「インフォバエ」などよると、残る1社はサルタ州とカタマルカ州の州境でリチウム開発プロジェクトを手掛ける韓国のポスコだ。YPFも、25億ドルを投じるバカ・ムエルタ・スール・石油パイプライン第2区間の建設にRIGIの適用を受けるべく、11月中に申請を行うことを既に発表している。

YPF Luzの発表によると、同社が10月25日にRIGIの適用を申請したのは、同社がメンドサ州で建設する太陽光発電所「エル・ケマード」の建設プロジェクトで、投資額は2億2,000万ドル。発電設備容量は305メガワット(MW)で、第1フェーズで200MW、第2フェーズで105MWとしている。23万3,000世帯分の電力を供給可能で、51万8,000枚の二面式太陽光発電パネルを導入する。

ガラン・リチウムの発表によると、同社は10月30日にRIGIの適用を申請した。同社がカタマルカ州のオンブレ・ムエルト塩湖で進めるリチウム開発プロジェクト「オンブレ・ムエルト・オエステ(英語ではオンブレ・ムエルト・ウェスト:HMW)」が申請対象だ。同社によると、鉱業では初のRIGIの申請で、「RIGIは、HMWの潜在能力を最大限に引き出すためのさらなる資本確保につながり、同社の能力を大幅に強化することになる」としている。

写真 ガラン・リチウムが手掛けるHMWの蒸発池(ジェトロ撮影)

ガラン・リチウムが手掛けるHMWの蒸発池(ジェトロ撮影)

YPFが進めるバカ・ムエルタ・スール・石油パイプラインは総延長約600キロで、約130キロの第1区間と残りの第2区間により構成されている。第1区間は10月末の時点でほぼ完成しており、YPFは第2区間の工事を2025年1月に開始する意向だ。この石油パイプラインは、石油、天然ガスの一大生産地ネウケン州のバカ・ムエルタから大西洋岸のリオ・ネグロ州のプンタ・コロラダを結び、2030年に石油の輸出により年間300億ドルの外貨収入を目指す計画となっている。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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