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EU理事会、タリバン政権への当面の対応方針を発表(EU、アフガニスタン)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2021年9月22日 10時30分

EU理事会(閣僚理事会)は9月21日、アフガニスタン情勢に関するEUの現在の立場と今後の方針をまとめた「結論(Conclusions)」を採択した。タリバンが9月7日に暫定政府の陣容を発表したことを受け、現時点ではEUとして同政府にいかなる正当性を付与するものではないと強調しつつ、将来を見据えタリバンとの関わり方の指針を示した。

同結論では、まず現状について、タリバンによるジャーナリストや市民デモなどに対する暴力行為や脅迫を強く非難し、人権侵害、とりわけ女性の権利の侵害が深刻に懸念されているとした。EUとしては、暫定政府の政策や行動を注意深く検証しつつ、タリバンへの関与の在り方を見極めていくとし、(1)国外退去を希望する全ての外国人およびアフガニスタン人の安全で秩序だった移動の確保、(2)女性や子供、少数者の権利保護や、法の支配、表現の自由をはじめとする、あらゆる人権の尊重、(3)アフガニスタンへの人道的支援の安全な実施の確保、(4)アフガニスタンがテロリズムの拠点となることの防止、(5)交渉を通じた、女性や少数者の代表を含む包摂的でバランスの取れた政府の成立、の5点をタリバンの行動を評価する上でのベンチマークとして挙げた。

今後については、国連が現地における活動のカギを握るとし、EUは国連、世界銀行のほか、NATO、G7、G20などとの連携を強化していくとした。首都カブールには、人道的支援の実施や、国外退去希望者の円滑な退去の確保のために、最低限のEU関係者を滞在させるが、情勢次第では体制を見直す。また、優先度の高い事項として、アフガニスタンにおける混乱の同地域への波及を予防し、経済的および人道的観点からの協力と支援を深めるべく、EUが主導してアフガニスタンの隣接国間の政治的協力のための地域プラットフォームを組織する構想を披露した。EUは、欧州委員会と外務・安全保障政策上級代表が9月16日に発表したインド太平洋地域戦略(2021年9月17日記事参照)の中でも、この地域の情勢が欧州の安全保障に直結するとの見方を示し、EUとしての積極的に関与していく姿勢を表明しており、同構想もその方向性に基づいたものといえる。

(安田啓)

(EU、アフガニスタン)

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