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英外相、王毅外相と会談、2国間での関与拡大の必要性を指摘(英国、中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月22日 0時20分

英国のデービッド・ラミー外務・英連邦・開発相は10月18日、中国を訪問し王毅・共産党中央政治局委員兼外交部長(外相)と会談した(プレスリリース)。

ラミー氏は、国連安全保障理事会の常任理事国である両国が、複雑な課題に対して実際的な解決策を探る義務があるとして、2国間での関与をさらに拡大する必要があると述べた。両国間の協力が相互の利益に資する分野として、世界的なグリーン移行、開発およびグローバルヘルス、人工知能(AI)の安全な利用といった分野を挙げた。英国政府によれば、双方の経済成長に相互に貢献できるという点で両氏が一致したとしている。

また、ラミー氏は、中国によるロシアの軍事産業への機器供給に関する懸念が欧州との関係を損なっていると述べ、中国企業に対する調査の実施およびロシア軍への供給中止を求めた。

さらに、新疆ウイグル自治区を含めた人権については、両国の考え方が分かれる部分であるとしつつ、両国間での関与が必要な分野と位置付けた。香港に関しては、中国による国家安全保障法の執行に対して重大な懸念があるとした。

ラミー氏は7月26日にも、ラオスで行われたASEAN外相会合に合わせて王毅外相と会談し、新政権の対中関係に関するアプローチを打ち出していた。

英国のキア・スターマー首相も、8月23日に中国の習近平国家主席と電話会談した。国家安全保障を含む新政権の優先事項を示したほか、貿易、経済、教育といった、両国間での協力の可能性がある分野について議論。安定かつ一貫した両国関係の必要性について合意したとしている。

労働党は総選挙におけるマニフェストの中で、対中政策に関して「協力、競争、挑戦(Cooperation, Competition, Challenge)」を掲げ、長期的かつ戦略的な手法で関係を管理するとしていた。そのために、2国間関係の評価を行い、同国がもたらす機会と課題を理解し、対応するために英国の能力を向上させるとしている(2024年6月28日付地域・分析レポート参照)。

(山田恭之)

(英国、中国)

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