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李強首相が日中韓サミットに出席、FTA交渉加速などを提案(中国、日本、韓国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月30日 13時15分

中国の李強首相は5月27日、韓国のソウルで開催された第9回日中韓サミット(注)に出席した。李首相は、2024年は3カ国の協力メカニズム設立から25周年とし、協力の初心を守り、地域の繁栄と安定に貢献するよう呼びかけた。

その上で李首相は、協力深化のため次の5点を提案した。

1. 協力の全面再開を推進し、互いの核心的利益と重要な懸念を尊重し、既存の協力を十分に活性化させ、新たな協力を着実に育成し、2国間関係と3カ国協力の相互促進を形成する。
2. 経済・貿易の相互接続を深め、産業チェーンとサプライチェーンの安定を維持し、自由貿易協定(FTA)交渉を早期に再開・完了させる。
3. 科学技術イノベーションでの協力をリードし、協同イノベーションと先端分野での協力を強化する。中国は「中日韓イノベーション協力センター」を国内に設立し、新たな動力の育成を加速させる。
4. 文化交流の絆を強化し、中日韓文化交流年を機に3カ国の人々が「隣に住む」から「心が通じ合う」関係へ進展することを促進する。
5. 持続可能な発展を促進し、低炭素トランスフォーメーション、気候変動、高齢化、感染症対策などの分野での交流と協力を強化し、より多くの「中日韓+X」協力プロジェクトを発掘し展開する。

また、李首相は朝鮮半島情勢について、それぞれが建設的な役割を果たし、政治的解決プロセスを前進させ、地域の平和と安定を維持するために尽力すべきだと指摘した。そのほか、ASEAN+3としての協力推進も訴えた。

5月27日付の「環球時報」は、日韓の対中政策は米国の影響下にあるとしたうえで、2023年来、日韓が積極的にサミット開催を進めてきたのは、過度の「親米」による損害を回復しようとするものだと評した。

中国現代国際関係研究院北東アジア研究所の樊小菊所長は、3カ国の協力は日米韓の安全保障協力が地域と平和にもたらす破壊的な影響を取り除くには足りないものの、米国などによる冷戦的陣営対立への力強い回答になると評した(「人民政協報」5月29日)。

遼寧社会科学院北東アジア研究所の孟月明所長は、3カ国の協力メカニズムは2国間関係や国際情勢により中断されてきたことを考慮し、今後は政府間のハイレベル協議をいっそう安定し、連続したものとし、3カ国間の関係が緊張した際にも意思疎通を確保すべきだとした(「環球時報」5月29日)。

(注)サミットの詳細は2024年5月28日記事参照。

(河野円洋)

(中国、日本、韓国)

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