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2024年通年のGDP成長率予測値を2.5%に修正(香港)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月27日 9時30分

香港特別行政区政府統計処は11月15日、2024年通年の実質GDP成長率見通しを2.5%と発表した。2月28日に発表した2.5~3.5%との予測値から修正した(2024年3月7日記事参照)。

統計処は同日、2024年第3四半期(7~9月)の主要経済指標の改定値も公表した。そのうち実質GDP成長率の確定値を前年同期比1.8%とした。10月31日に公表した速報値からの修正はない(2024年11月12日記事参照)。

香港政府経済顧問の梁永勝氏は2024年通年の実質GDP成長率見通しについて、「外部環境が引き続き厳しくなりつつあるが、年内の経済は緩やかな成長が続くだろう。経済の不確定性や貿易摩擦が香港の財輸出に影響を及ぼす可能性がある一方、主要銀行による金融緩和と中国本土の幅広い景気刺激策が香港経済を下支えする。具体的には、金融環境が徐々に緩和されていくことで、固定資産投資に有利な環境となるだろう。また、雇用者の所得増加と中国中央政府による消費活性化策により、香港内での個人消費とインバウンド観光消費の両方を押し上げるだろうが、来港客と香港居住者の消費パターンの変化(注)と香港ドル高が引き続き課題となる」との見方を示した。

また、香港観光局の程鼎一(デーン・チェン)理事長は香港が直面する課題について、「長距離旅客機の便数不足(ウクライナ情勢を起因とする欧米の航空会社の香港運航便の少なさ)、香港ドル高、地政学的な問題」と指摘し、「2025年の最重要課題の1つは欧州、米国からの旅行者を呼び戻すこと」と強調した(「サウスチャイナ・モーニングポスト」紙11月16日)。

(注)中国本土からの来港者の消費パターンは、ショッピングなどのモノ消費から、街歩きやハイキングなどのコト消費に変化しつつあり、宿泊地も香港より安く近接した深セン市に変わりつつある。また、香港居住者は買い物目的で中国本土を訪れて消費する「北上消費」が増えている。

〔何樂晴(エスター・ホー)〕

(香港)

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