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広東省、高速道路の水素応用プロジェクトの実施プラン発表(中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月9日 0時35分

中国の広東省発展改革委員会は6月25日、「広州市~湛江市間の水素エネルギーの高速道路応用モデルプロジェクトの実施プラン」を発表した(6月から2025年12月まで実施)。同実施プランの目的は、広東省の燃料電池自動車モデル都市群の建設促進、燃料電池自動車の大規模化・商業化における応用シーンの模索、物流分野のカーボンニュートラル実現にある。

実施プランでは、広東省内の広州市、仏山市、東莞市、江門市、陽江市、湛江市、茂名市などが対象地域となった。これらの都市間で形成する大型交通網は、広東省内の水産物や生鮮肉類、果物・野菜などのコールドチェーン輸送の大動脈となっている。また、各種の大型卸売市場や冷凍庫が分布しているため、水素の潜在的需要が高いとされ、燃料電池自動車のコールドチェーン物流を発展させる条件が備わっている。実施プランでは、広湛高速道路(広州市から広東省湛江市までの高速道路)沿線に水素ステーション(水素製造・供給の一体化ステーション)の建設が計画されている。最大積載量4.5トンの燃料電池冷蔵車を2,000台、49トンの燃料電池冷蔵車を100台投入し、水産物、生鮮肉類、果物と野菜などのコールドチェーン輸送を展開する。江門市、陽江市、茂名市、湛江市などで水素の現地消費を推進し、珠江デルタ地区向けの幹線物流と支線物流ネットワーク(注)の形成により、持続可能なビジネスモデルを模索する。

実施プランのスケジュールについては、次のとおり。

2024年上半期まで:広州市から仏山市間のコールドチェーン都市間輸送モデルの展開、中国石油化工集団茂名水素貯蔵ステーションの建設、最大積載量4.5トン燃料電池冷蔵車(50台)の投入を実施。
2024年末まで:最大積載量4.5トン燃料電池冷蔵車500台と49トン燃料電池冷蔵車10台投入、広湛高速道路沿線と珠江デルタ地域の水素エネルギーコールドチェーン物流ネットワークの初歩的な構築、東莞市道滘東発ガソリン・水素ステーションや砂田総合エネルギーサービスステーションの運営を開始。
2025年末まで:広湛高速道路の梁金山サービスステーションや中石化茂名高水ガソリンスタンドなどのガソリン・水素一体化ステーション建設の完成、4.5トン燃料電池冷蔵車2,000台と49トン燃料電池冷蔵車を100台投入。

上記項目を実施するため、同実施プラン期間内に水素の販売価格が1キログラム当たり35元(約770円、1元=約22円)を超えないように規制するとともに、燃料電池輸送車両の都市部へのアクセス時間と通行区間の制限を緩和し、一定の時間限定で無料駐車できるなどといった優遇措置を打ち出した。

中国石油大学(華東)石油工程学院の馬一峰博士は「今回の実施プランで投入された車両は主に商用車で、かつ既定の路線を走る想定となっている。走行する路線が限定されるため、路線内で設置が必要となる水素製造・供給ステーションの数が限定的となる。それにより、コスト削減につながる上、安定的な運行を保証することが可能だ」と述べた(「華夏時報網」6月28日)。

(注)幹線物流とは、周辺エリアから大量の荷物を集めた拠点から、他のエリアの集積拠点までを大型トラックなどで輸送することを指す。支線物流とは、域内拠点から各家庭や小売店などの最終目的地に至るまでの配送を指す。

(梁梓園)

(中国)

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