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フィリピン・韓国FTA、2024年12月31日に発効へ(フィリピン、韓国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月25日 16時25分

フィリピン国家経済開発庁(NEDA)は12月17日、韓国との自由貿易協定(FTA)の発効を承認した。在フィリピン韓国大使館の発表によると、同FTAは12月31日に発効する(12月23日付フィリピン政府通信社)。両国間のFTAは2023年9月7日、インドネシアの首都ジャカルタで開催された第43回ASEAN首脳会議に合わせて署名された(2023年9月19日記事参照)。現地報道によれば、同FTAでは、フィリピンの農産物1,531品目の関税撤廃が対象となっており、うち1,417品目はFTA発効後に即時撤廃される(12月23日付「ビジネス・ワールド紙」)。

フィリピン貿易産業省(DTI)によれば、フィリピンから韓国への主要な農産物輸出品目であるバナナには現在、30%の関税が課されるが、ベトナムから韓国へのバナナには関税がない。現地報道によると、韓国におけるフィリピン産バナナの市場シェアは2013年に98.8%だったが、現在は69%と大幅に減少した。他方で、ベトナム産バナナの市場シェアは2013年の0.04%から2023年には12%に拡大したという(12月23日付「デイリー・トリビューン紙」)。今回のFTA発効後、フィリピン産バナナへの関税は段階的に削減され、5年で撤廃となる。また、パイナップル缶詰への関税(現在は36%)も7年で撤廃される予定だ。

フィリピンは韓国の工業製品9,909品目を関税撤廃の対象としており、うち9,747品目はFTA発効後に即時撤廃される。韓国製自動車に課される5%の関税も即時撤廃されることから、韓国の自動車メーカーも恩恵を受ける見込みだ(注、12月23日付「ビジネス・ワールド紙」)。

フィリピン統計庁(PSA)によると、フィリピンにとって韓国は第6位(輸出総額に占めるシェアは4.8%)の輸出相手国で、2023年の輸出額は約34億7,900万ドルだった。また、輸入では、第4位(輸入総額に占めるシェアは6.7%)で、2023年の輸入額は約84億7,700万ドルだった。

在フィリピン韓国大使館は、「FTAにより、工業、農業、インフラ、エネルギーといった重要な産業で両国の貿易投資関係を深化させることで、両国の経済成長への道が開かれるだろう」と伝えている。

(注)電気自動車(ハイブリッド車を含む)への関税は5年をかけて撤廃される。なお、フィリピンでは現在、大統領令第12号および同第62号により、電気自動車(ハイブリッド車を含む)への関税は、2028年末まで免税となっている。

(中村和生)

(フィリピン、韓国)

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