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ハノイで金型技術の発表交流会、日系と地場企業、学生が交流(ベトナム)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月9日 0時15分

金型メーカーなどによる同業組合の日越金型クラブは11月26日、ベトナムのハノイ市内で第11回となる金型技術交流会を開催した。加盟企業や地場の学生など約150人が参加した。日越金型クラブは、ベトナムの金型産業の競争力を高める目的で2013年に立ち上げられた団体で、2024年11月時点、在ベトナム日系企業68社、ベトナム企業23社、その他合弁企業などを含む計113社が加盟している。同団体は、加盟企業の技術向上を目的に交流会を開催してきた。

例年のイベントはテーマに沿った企業からの発表が主だったが、ハノイ工科大学とリー・タイ・トー短期大学の教員の要望を受け、金型の設計を学ぶベトナムの学生の実践の場として、創立以来初めて、学生による発表の場を設けた。

イベント前半に実施された学生からの発表セッションでは、ハノイ工科大学機械学科プラスチック金型実験室、同プレス金型実験室、リー・タイ・トー短期大学機械学科の学生3チームが、事前に提示されていた課題の図面に対する設計について、アプローチ方法や設計時の課題と対策などを発表した。学生からの発表を受け、聴講した日越両方の企業が評価した結果、ハノイ工科大学プラスチック金型実験室のチームがグランプリを受賞した。

イベント後半では「DX・AIを用いた金型製造」をテーマに、日系企業5社が事例を交えた最先端の取り組みを紹介した。登壇した5社は、三菱電機ベトナム、CGSベトナムテクニカルセンター、安田工業ベトナム、山本金属ベトナム、スタディスト。工程の自動化や工程管理から、熟練技術の数値化、異常検知に至るまでデータ学習による人工知能(AI)活用など、自社のサービス・取り組みを中心に、製造業における最先端のデジタルトランスフォーメーション(DX)事例を紹介した。

ジェトロ「2024年度海外進出日系企業実態調査(アジア・オセアニア編)」によると、ベトナムの日系企業は現地調達の拡大ニーズが高い一方、現地調達率は36.6%にとどまる。今回のイベントのような金型産業全体の底上げを目指す取り組みなどにより、ベトナムの裾野産業の発展が期待される。

写真 真庭日越金型クラブ会長による開会あいさつ(ジェトロ撮影)

真庭日越金型クラブ会長による開会あいさつ(ジェトロ撮影)

写真 グランプリとなったハノイ工科大学機械学科プラスチック金型実験室の発表(ジェトロ撮影)

グランプリとなったハノイ工科大学機械学科プラスチック金型実験室の発表(ジェトロ撮影)

(河野尭広)

(ベトナム)

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