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香港政府、現行の有料指定ごみ袋の使用を中止(香港)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月24日 1時0分

香港特別行政区政府の環境・生態局は、これまで2度延期したごみ収集有料化計画(2024年6月5日記事参照)に関して、将来的に有料化する前提で、既に公営住宅入居者などに無料配布した指定ごみ袋を今後は規定のごみ袋として使用しないと公表した〔10月8日、香港電台(RTHK)〕。同局は、さまざまなサイズの袋を生産することで、生産コスト上の問題が生じたため、今後の有料化を見据えて、指定ごみ袋の設計を改善するとしている。

環境・生態局は一般家庭や飲食店、商業施設から出るごみについて、有料の指定ごみ袋の使用を義務づけ、使用しない場合には1,500香港ドル(約3万円、1香港ドル=約20円)の罰金を科すことを発表していた。同計画の延期に伴い、香港政府は公営住宅入居者に対して毎月、無料で指定ごみ袋を提供し、9月までに約1億袋を配布した。また、8月以降に「廃棄物の削減とリサイクル憲章」に署名した民間住宅にも、約130万袋の指定ごみ袋を無料で配布していた。

香港政府は、ごみ収集有料化をあらためて実施する場合には、現在の指定ごみ袋は適用しないため、指定ごみ袋をこれ以上家庭で備蓄する必要はないと市民に呼びかけた。また、無許可による指定ごみ袋の販売は違法行為に当たると注意喚起を促した。

環境・生態局は2025年半ばに立法議会の環境部会に報告の上、意見聴取を行う予定だ。

香港市民のリサイクル意識向上

8日には香港のリサイクル統計データも発表された。2024年7月に「緑在区区」ネットワーク(注)を通して回収、リサイクルされた資源の重量は前年12月比で約70%増となった。また、2024年8月時点で家庭から出る生ごみの1日平均回収量は前年12月比の約4倍に相当する。環境・生態局は、香港市民のリサイクル意識が形成されつつあると示した。

(注)環境・生態局が構築するコミュニティーリサイクルネットワーク。2024年8月時点で香港内に500以上の回収拠点を設置している。

〔何樂晴(エスター・ホー)〕

(香港)

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