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米USTR、対中301条関税の見直し最終結果を公表、第1弾の引き上げは9月27日から(米国、中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月17日 14時0分

添付資料PDFファイル(312 KB)

米国通商代表部(USTR)は9月13日、1974年通商法301条に基づく対中追加関税(301条関税)の見直し最終結果を公表した。近日中に官報で正式に公示する見込み。

2024年5月に公表していた見直し結果(2024年6月18日付地域・分析レポート参照、以下「見直し暫定結果」)からの大幅な対象品目の追加や関税率の変更はなかった。USTRは見直し暫定結果に対する1,100件以上のパブリックコメントを精査し、これを踏まえて「中国の不公正な貿易慣行から米国の企業と労働者を保護するための措置を強化する幾つかの変更を加えた」とした。見直し最終結果の主なポイントは次のとおり。

○対象品目:現在301条関税が賦課される品目は引き続き対象として維持する(後述の適用除外制度の対象品目を除く)。今回の見直し最終結果で、天然黒鉛・永久磁石、その他の重要鉱物、港湾クレーン、注射器・注射針、鉄鋼・アルミニウム製品などの37品目を新たに301条関税の対象に追加した。なお、見直し暫定結果からの変更はなかった(添付資料表参照)。

○関税率:現在301条関税が賦課されている品目のうち戦略分野とされる352品目、新たに追加された37品目、合計389品目の追加関税率は25~100%に引き上げる。追加関税率を引き上げる品目数は、見直し暫定結果(387品目)からフェースマスクで2品目増加した。追加関税率の引き上げ幅は、見直し暫定結果からほとんどの品目で変わらなかった一方、医療製品の5品目で最大50%から最大100%に引き上げた。

○引き上げ時期:3段階に分け、367品目は2024年9月27日、半導体など17品目は2025年1月1日、天然黒鉛・永久磁石など5品目は2026年1月1日から追加関税率を引き上げる。見直し暫定結果からほとんどの品目で変わらなかった一方、医療製品の引き上げ時期は2024~2026年にかけて段階的に再設定した。

○適用除外制度:既存の164品目に対する追加関税の適用除外制度は2025年5月31日まで延長する(2024年5月27日記事参照)。また、経腸栄養注射器〔米国関税分類番号(HTSコード):9018.31.0080〕を適用除外対象に追加した(適用除外期間は2026年1月1日まで)。このほか、次の2種類の適用除外制度を設けることを示した。

1. 米国内での太陽電池の製造に使用される機械の14品目については、事業者の申請を経ずに追加関税の適用除外とする。なお、暫定見直し結果(19品目)から5品目減少した。適用除外期間は2024年1月1日~2025年5月31日。
2. 米国内で製造に使用される機械の317品目については、事業者から追加関税の適用除外申請を受け付ける。なお、暫定見直し結果(312品目)から5品目増加した。USTRは適用除外申請の手続きの詳細を近く公表予定としている。

これらの適用除外制度も、見直し暫定結果からほとんどの品目で変わらなかった一方、港湾クレーンに関しては、2024年5月14日より前に発注された分を301条関税の対象外とするとした。

重要鉱物でさらなる関税率引き上げの可能性も

USTRは、タングステン(HTSコード:8101.94.00、8101.99.10、8101.99.80)、ウエハー(3818.00.00)、ポリシリコン(2804.61.00)を301条関税の対象品目に追加し、関税率を引き上げることついて、近くパブリックコメント受け付けを開始する予定と明らかにした。これら品目の中国依存度を低減させ、中国の非市場的な過剰生産能力から米国産業の保護を図るとしている。なお、タングステンは25%、ウエハーとポリシリコンは50%の追加関税を賦課することを提案するとしている。

(葛西泰介)

(米国、中国)

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