2021年予算法が成立、企業支援を拡充(ポルトガル)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2020年12月1日 17時0分

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ポルトガル議会は11月26日、2021年度(暦年)予算を可決した。最大野党の社会民主党(PSD)を含む右派、協力関係にあった左翼連合(BE)が反対に回り、その他の野党は棄権したものの、与党・社会党(PS)の支持を受けて可決された。アントニオ・コスタ首相は10月27日の議会演説で「今回の予算案は緊縮財政ではなく連帯のため」と宣言しており、予算法では、新型コロナウイルス感染拡大で打撃を受けた経済をてこ入れすべく、所得減税や低所得者への支援、公共投資の拡大、企業支援と雇用維持を優先し、増税は行わない。

歳入は、間接税と直接税の増収とEUからの補助金により、前年比9.1%増の905億9,500万ユーロ。歳出は、公共投資の同30.7%増などを受け、同3.9%増の1,008億5,600万ユーロとなった。

予算法に盛り込まれた主な経済措置は以下のとおり。

1. 家計への措置:源泉税減税、電力料金への付加価値税減税、最低賃金引上げ、年金生活者へ臨時年金の支給、失業給付の引き上げ、給付対象外の労働者へ臨時手当支給など。
2. 企業支援:飲食店や宿泊、文化施設での消費に対して付加価値税を還付(IVAucherプログラム)し、消費を促す。中小企業を対象に「営業外課税」の適用を免除。「臨時特別投資税額控除」で企業の投資費用の20%相当を最大500万ユーロまで控除。中小輸出企業への税優遇制度設定、政府保証付きの融資枠設定など。
3. 公共投資:持続可能なモビリティー、健康、教育関連分野のインフラ拡充への投資などを中心に、2021年の投資の20%増を目指す。
4. 国家医療システム:新たに4,200人の医療従事者を雇用する。国家医療サービスの予算を2億ユーロ増額。新型コロナウイルス感染症対応の最前線で働く医療従事者に基本給の20%分の助成金を給付(最大219ユーロまで)など。

2020年度の税収は、新型コロナウイルス感染症の影響により、約5億1,100万ユーロの減収となり、前年比11%減となる見込みだが、2021年の財政赤字は2020年のGDP比7.3%から4.3%に減少、公的債務の対GDP比も約2.35倍から約2.31倍に減少する見通し。実質GDP成長率は、20世紀初頭以降で最低となる2020年のマイナス8.5%から、2021年は5.4%に回復すると予測している。

(小野恵美)

(ポルトガル)

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