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カナダの第1四半期GDPは前期比年率1.7%成長(カナダ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月3日 14時30分

カナダ統計局が5月31日に発表した2024年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率は、前期比年率1.7%と2四半期連続のプラス成長になった。2023年第4四半期(10~12月)の成長率は、2024年2月発表の1.0%(2024年3月4日記事参照)から0.1%に下方修正された。

統計局は、家計のサービス支出の増加がGDPの伸びを押し上げたが、在庫投資の減少が伸びを鈍化させたと説明した。

家計支出は、主に電気通信サービス、家賃、航空輸送などのサービスに対する支出が増加したことなどにより、0.7%増加した。商品に対する家計支出は0.3%増加し、新車のトラック、バン、スポーツ用多目的車(SUV)に対する支出が増加した。

財・サービスの輸出では、未加工の金、銀、白金族金属の英国およびスイスへの輸出増加により、第4四半期の0.8%増に続き、第1四半期も0.5%増となった。輸入は、主に衣類、履物、繊維製品の増加により、第4四半期の0.2%増に続き、第1四半期も0.4%増となったものの、乗用車と小型トラックの世界的な生産台数の減少に伴う輸入減少によって一部相殺された。

在庫投資は、企業の非農業部門在庫では308億カナダ・ドル増(約3兆5,521億円、Cドル、1Cドル=約115円)と引き続き増加したが、第4四半期の403億Cドル増と比較すると増加ペースは鈍化した。特に、自動車小売業では第4四半期の半分のペースとなり、在庫投資が最も減少した。

統計局の発表を受け、モントリオール銀行(BMO)のチーフエコノミスト兼マネジングディレクターのダグラス・ポーター氏は「雇用市場の逼迫度が低下していることから、生産ギャップが拡大しており、来週利下げが実施される可能性が若干高まっている」とし、6月に最初の利下げが実施されるとの予想を維持している(エコノミックファクツ5月31日)。

一方、トロント・ドミニオン銀行(TD)のディレクター兼シニアエコノミストのジェームス・オーランド氏は、カナダ中央銀行(中銀)は実際に金融政策を変更する前に、その意図を伝えることを重要視してきたが、今回は利下げに踏み切る意向をいまだ示していないことから、「来週も金利を据え置き、7月の利下げを予告する会合になると予想される。とはいえ、中銀がこの件でどちらに転ぶかわからないため、火花が散ることも予想される」として、6月に利下げが実施されることには慎重な姿勢を維持している(TDエコノミクス5月31日)。

中銀の次回の政策金利発表は6月5日に予定されている。

(斎藤健史)

(カナダ)

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