1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

世界新エネルギー車協力発展フォーラム、上海で開催(中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月13日 9時30分

中国電動汽車百人会(注)は11月1日、世界新エネルギー車協力発展フォーラムを上海市で開催した。このフォーラムは「新エネルギー車(NEV)の世界協力と持続可能な発展」をテーマとし、工業・情報化部など政府関係部門や研究者、外資系企業を含む多くの自動車関連企業の代表が参加した。世界および中国の視点からNEVに関する国際的な協力体制を構築するための方向性や課題、道筋について議論が行われた。フォーラムは毎年開催されており、今回はEUが中国製バッテリー式電気自動車(BEV)に対する相殺関税措置の導入を正式に決定して以降、初めての開催となった(2024年11月6日記事参照)。登壇した中国企業の代表は、欧米を含めた世界市場への展開を進め、現地生産の協力体制構築を行っていくというメッセージを多く出した。

百人会の張永偉副理事長兼事務総長は世界のNEV産業の発展について、次のとおり4つのポイントを示した。

1. 中国や新興国ではNEV市場が急速に成長している一方で、EUや米国ではコスト、電力確保、エネルギー問題などの要因により、同市場の成長が減速している。
2. 中国は世界で主要なバッテリーの生産能力を有している。世界のバッテリー産業の技術イノベーションは、三元系リチウムイオン電池やリン酸鉄リチウムイオン電池から、今後は全固体電池へ徐々に移行していく。
3. 伝統的な大手自動車メーカーの利益の縮小が加速している。テスラ、比亜迪(BYD)、理想汽車(Li Auto)などのNEVメーカーが利益を上げ始めているなど、自動車業界の産業構造がガソリン車からNEVへと転換しつつある。
4. 世界のNEVの消費は中国がリードしており、中国の消費者のニーズは、基本的性能重視からスマート化、パーソナライズ化されたニーズへと移行している。他方で、欧米の消費者は依然として航続距離や充電の利便性を重視している。

中国機電製品輸出入商会の自動車国際化専門委員会の孫暁紅秘書長は、新興国市場と開発途上国の市場拡大の可能性が大きいとし、特に中東、北アフリカ、南アフリカ、中南米など、グローバルサウスの市場に今後注目すべきだと述べた。

また、国連グローバル・コンパクト(UNGC)の劉萌アジア太平洋地域総代表は、当初の「世界で生産し、中国で販売する」から、「中国で生産し、中国で販売する」へと移行し、さらに「中国で生産し、世界で販売する」という流れがあったが、足元では新たな市場構造とトレンドとして「世界で生産し、世界で販売する」段階に入ったと指摘した。

また、フォーラムでは、グローバルサプライチェーンを維持する重要性が強調された。ポイントは次のとおり。

1. サプライチェーン上流の資源が高度に集中しているため、同分野のグローバルな協力を通じて、サプライチェーンの安定性と安全性を確保することが重要。
2. 車載半導体の需要が増加している中で、完成車の安定的な生産を確保する上では、車載半導体のグローバルなサプライチェーンを維持することが非常に重要。
3. 車載電池とその関連材料のリサイクルは持続可能な発展を実現するカギで、グローバルなリサイクルチェーンを形成することが重要。

(注)中国電動汽車百人会は、国内の新エネルギー車(NEV)産業の発展に向けた重大課題に関連した政策・技術の研究を行うための組織として、2014年5月に設立された。同産業に関わる自動車や自動車部品メーカー、大学、研究所などから有識者が構成メンバーとなり、毎年フォーラムを開催している。

(尹世花)

(中国)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください