タイ工業連盟、安価な製品を販売する外資系企業のECサイトの影響を調査（タイ）

タイ工業連盟（FTI）は10月21日、安価な製品を販売する外資系企業の電子商取引（EC）サイトが与える影響についての調査結果を明らかにした。同調査では、全国175人の国内企業の最高経営責任者（CEO）に調査を行った。

調査の結果、ECサイトの安価な製品が売り上げに与える影響について、「影響なし」と回答した企業が47.4％と最も多かった。次いで、「売り上げ減少」が35.1％となった。また、最も影響を受けた品目は、衣料品や家具、プラスチック製品、包装材などが挙げられた。「売り上げ増加」と回答した企業は17.5％だった。

安価な製品を販売するECサイトの好影響については、「工場から直接購入できる製品増加による消費者の選択肢拡大」(65.7％)、「タイ事業者の競争力強化」（64.0％）の回答割合が高かった。一方で、悪影響として、「粗悪品の流入が及ぼす消費者の安全性と廃棄物処理の負担増」(61.7％)という回答が最も多く、次いで「価格競争に負けることによるマーケットシェアの縮小」（44.6％）、「国内産業のサプライチェーンに影響するリスクがある」（41.7％）などの回答があった。

「タイ政府はECサイトのプロバイダーをどのように取り締まるべきか」という質問には、「外資系のECサイト事業者がタイで法人を登記し、国内に事務所設置を義務付けるとともに、商品の付加価値税（VAT）を徴収する」（67.4％）、「消費者保護関係法を厳格に施行する」（46.9％）などの回答が上位に挙がった。「安価な製品を販売するECサイトの台頭に対して民間部門がどう対応すべきか」という質問には、「技術・イノベーション導入による商品開発」（57.7％）、「国内製品プロモーションのためのネットワーク構築や新たな市場開拓」（48.6％）などの回答が上位となった。また、「国内産業はECサイトを通じて流入する安価な製品と競争できるか」という質問には、80.7％が「競争できる」と回答した。

なお、タイ政府は9月3日、タイ商務省が提出した低品質な輸入品や法律に違反する外国企業の問題を解決するための5つの措置（63の行動計画）を承認している（2024年9月10日記事参照）。

（ピンラウィー・シリサップ、藤田豊）

（タイ）