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欧州理事会、欧州委員会のフォン・デア・ライエン委員長を次期委員長候補に指名(EU)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月1日 11時0分

欧州理事会(EU首脳会議)は6月27日、欧州議会選挙の結果(2024年6月11日記事参照)を受け、2024年後半から始まるEU法令を審議する次期立法サイクルに向けたEU主要機関の人事を発表した(プレスリリース)。発表された人事は次のとおり。

欧州理事会次期常任議長:アントニオ・コスタ前ポルトガル首相〔社会・民主主義進歩連盟(S&D)グループ〕
欧州委員会次期委員長:ウルズラ・フォン・デア・ライエン現委員長〔ドイツ出身、欧州人民党(EPP)グループ〕
EU外務・安全保障政策次期上級代表:カヤ・カッラス現エストニア首相〔中道の欧州刷新(Renew)グループ〕

今回の決定により、コスタ前ポルトガル首相は12月1日に常任議長に就任する。一方で、フォン・デア・ライエン現委員長の再任ついては、今回の決定はあくまで次期委員長候補としての指名であり、7月16~19日に予定される欧州議会において承認を受ける必要がある。また、次期上級代表については、欧州委員会副委員長を兼務することから、次期委員長候補の承認後に同候補が指名する他の次期欧州委員とともに、欧州委員会全体として欧州議会の信任を受ける必要がある。次期委員長および次期上級代表は、欧州議会による手続きが遅延なく進めば11月1日に就任予定。

今後は、欧州議会での次期欧州委員長候補の承認に向けた多数派工作の行方が注目される。フォン・デア・ライエン委員長は選挙直後、まずは現行の連立体制を組むEPP、S&D、Renewと交渉する方針を示していた(2024年6月12日記事参照)。中道3会派は、承認に必要な361議席を超える合計399議席を獲得している。ただし、現地報道によれば、EPP所属のフランス共和党が同委員長の不支持を表明するなど、中道3会派所属議員の1割近くが同委員長に反対票を投じる可能性がある。

このことから、フォン・デア・ライエン委員長は指名後の会見で、「親EU、親ウクライナ、法の支配の順守」を条件に、中道3会派以外の会派の所属議員にも支持を求めると発言。ただし、協力相手候補の1つとみられるイタリアのジョルジャ・メローニ首相率いる「イタリアの同胞(FDI)」が所属する欧州保守改革(ECR)グループとの協力については明言を避けた。一方、メローニ首相は、欧州理事会での同委員長に対する指名投票を棄権した。現地報道では、中道3会派所属の首脳陣が欧州理事会での人事を主導し、選挙後にRenewを抜き第三勢力となったECRの意見を反映しなかったことが背景にあるとしている。

(吉沼啓介)

(EU)

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